社会
Posted on 2013年11月06日 09:58

「韓国慰安婦証言」スクープ!私はこう思う!(3)“慰安婦問題のすべてを知る男”-元官房長官・石原信雄

2013年11月06日 09:58

 証言者の氏名や生年月日が不正確で、「河野談話」の信憑性が疑わしく、元慰安婦の聞き取り調査が、記録として不完全だと産経新聞の記事は強調したいのでしょう。しかし、「意に反して連れていかれたのが一人もいなかった」ことを証明してもいないのです。

 宮沢内閣の時「従軍慰安婦の実態を調べてほしい」と、韓国側から要請を受けました。外務省など関係機関を通して調査をすると、その時に出てきた資料の中に、慰安所の存在を前提とした文章が出てきました。それに基づいて、戦時下に日本が慰安所運営と一定の関わりを持ったことを認め、92年、加藤紘一官房長官談話(「加藤談話」)という形で発表しました。

 ところが、韓国側は「慰安婦を強制的に連行した」と主張し、再度調査を求めてきました。しかし、調べてみても、当時の軍部が強制的に彼女たちを連行したり、指示した資料は出てこなかった。それを韓国側に伝えたのですが、それでは問題を解決できないとして、慰安婦とされた人たちの証言を聞いてほしいと要請されました。

 宮沢内閣の内部で議論した結果、日韓の将来のために、元慰安婦の証言を聞くことにしました。『反日運動をやっておらず、政治的な問題を抜きにして、真実を語ってくれる人』を対象に証言者を選んでもらうことを韓国側に伝えました。

 韓国側は16人の元慰安婦を選び、日本側の担当官がソウルで聞き取り調査をしました。私は証言者のデータの信憑性とか、正確性を調べる立場ではなく、報告書は見ていません。担当官の報告を聞いて総合判断したら、本人の意思に反して慰安婦とされた人がいることは否定できないという結論に至り、「河野談話」で強制連行を認めました。

 当時の韓国政府は、彼女たちの名誉はこれで回復され、慰安婦問題はこれで決着として、矛を収めたわけです。それでも納得のいかなかった元慰安婦の一部の人たちが、日本政府への直接の謝罪、賠償を求めるなど運動は続いていましたが‥‥。「河野談話」は日韓の未来志向のために発表し、その後、細川、羽田、村山内閣時も、両国間でこの問題が取り上げられることは、まったくなかったのです。

 ところが、一昨年、韓国憲法裁が「政府が元従軍慰安婦の人たちの謝罪と損害賠償を日本政府に認めるよう交渉しないのは違憲」だと判断しました。元従軍慰安婦の問題が浮き彫りになったのは、この影響だと思います。その判決を受けて、当時の李明博大統領から「日本政府に対してこの問題でもう一回交渉したい」と意思表示がありました。日本側は対応せず、その姿勢に反発し、竹島に上陸したりして、急速に日韓関係は悪くなっていったのです。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク