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「百目釣りドル“ふくだあかり”の絶好釣フィッシングライフ」 ーベテラン釣り師も夢中になるカワハギの叩き釣りー

20141211p

ふくだあかり 「1年で魚を100種類釣る」を達成。海から淡水まで何でもござれのオールラウンダー。テレビ「フィッシング倶楽部」(テレ玉)やスポーツニッポン「ふくだあかりの竿頭になりたい!!」などで活躍中。茨城県出身。公式ブログ http://ameblo.jp/tsuri-365/

 12月に入り、気温が下がって防寒着が必須になってくるこの時期、気温からちょっと遅れて、水温も下がり始めます。人間も魚も寒さに対応するために、体に脂肪分をたっぷりとため込み、おなかが出てくる季節が到来しました。そんな頃オススメしたいのがカワハギ釣り。カワハギは冬に備えて餌を多く食べて、肝臓を立派に成長させるのです。その肝は「海のフォアグラ」と呼ばれるほど甘みがあり、こっくり濃厚でたまらないおいしさなんです。しょうゆで溶いて淡泊な身に絡めて食べれば、日本酒が大いに進むこと間違いなし!

 そのカワハギがどんな魚かというと、皮を簡単に剥ぐことができるからこの名前がついた、おちょぼ口がひょうきんでカワイイ魚です。北海道以南の日本各地に生息していて、沿岸域の水深100メートルあたりの岩礁帯やその周辺の砂礫帯、藻場の海底近くを住みかとしています。夜になると流されないように海藻にかみついて眠る、変わった習性を持っているんです。

 食味のよさに加えて釣り味も最高で、船釣りの中でも人気のターゲットの一つ。釣れているとの情報があれば、平日でもカワハギファンで船がいっぱいになることもあるほど。

 人気の理由はゲーム性の高さにあります。小さな口で上手に餌をかすめ取るカワハギは、思ったように釣るのが難しいんですね。小さなアタリを感じ取り、うまくハリ掛かりさせるのは、この道何十年のベテラン釣り師でも舌を巻くほど絶妙で、多くの釣り人をトリコにしています。

 そんな魚だけに道具も独特。小さなアタリを取れるよう竿先が柔らかく、かつ魚を掛けるために胴がしっかりしている先調子のカワハギ専用竿が欠かせません。一日中竿を持ち続けて操作するので、持ち疲れしない軽いものがいいでしょう。

 仕掛けは3本針の胴付き仕掛け。アタリがよりわかりやすいように短いエダスが特徴です。2本でも4本でもいいんですが、餌の数が少ないと確率が下がるし、多いと餌付けに時間がかかるので、そこはバランスを考えてお好みで選びましょう。

 カワハギは歯が鋭くて硬く針先がすぐ鈍るので、針はエダスごとワンタッチで交換できるタイプがオススメ。スペアの針を持って行くことも忘れずに。魚の口から針がなかなか外れない時は、針ごと交換すれば手返しもアップできます。

 餌はアサリの剥き身が一般的。船で用意されている場合と自分で持って行く場合があるので、事前に船宿に確認しましょう。アサリは塩で洗ってぬめりを取っておくと付けやすくなります。水管⇒ベロ⇒ワタの順で通していって、針先はワタの中に隠すように刺すのがポイント。これをすばやくできるようにするのが数釣りの秘訣です。

 そして、最も難しく、釣り人を悩ませるのが釣り方。通常のカワハギは海底付近にいるので、仕掛けを底まで落とし、仕掛けが着底したと同時に糸フケを取り、海底を小突いて針に付いている餌を生き物のように踊らせて、カワハギに興味を持たせないといけません。

 その時の動作が「叩き釣り」「弛ませ釣り」「這わせ釣り」「宙釣り」などと呼ばれていて、テクニックが必要になります。しかもそれは1日のうちでも変化するし、季節・場所・魚の活性によっても変わって、アタリの出方もさまざまなんです。その状況をいち早く感じ取ってパターンをつかみ、リズムよく釣り上げるかが釣果を出す秘訣なんですが、これがまた難しい。

 初めてこの釣りをやった時、恥ずかしながらオデコを食らってしまいました。本命のアタリすらわからないほどで、過去最も苦戦した釣りものと言っても過言じゃないくらい。以来、その難しさに翻弄されて毎年のように挑戦しているけれど、いまだに初心者レベルを抜けられないでいます。

 先日、カワハギ釣りのエキスパートたちがこぞって集まる館山釣りセンターくろしお丸にお世話になった時も、トップの人が27枚釣っている中で、私は半分以下の13枚。ツ抜けをするのがやっとでした。

 ベテランをうならせるほど奥が深いこの釣り。思ったようには釣れてくれず、翻弄されることも多いけれど、またそれが楽しい! 竿・仕掛け・餌にこだわり、釣り方に試行錯誤をする魚との攻防戦はヤミツキになること間違いなし。

 そして、苦労して釣ったあとには肝パンのおいしいカワハギが待っています♪

 釣って楽しい・食べておいしいカワハギ釣り、ぜひ皆さんもチャレンジしてみてくださいね。

──「漁亭あかり」の釣り魚クッキング《絶品!肝乗せのカワハギ握り》──

 カワハギはその名のとおり、皮が簡単に剥がれるので下処理は簡単。肝を傷つけないように頭を落としてヒレを切り、頭側から皮を引っ張れば、ペリペリとおもしろいように剥けてウロコも出ないので、あとが楽ちんなんです。

 カワハギは何といっても肝がキモ。生で食べられて、なおかつ絶品なのはカワハギをおいて他にないと言ってもいいほど。新鮮じゃないと食べられないので、スーパーに並ぶことはまずないんです。まさに釣り人の特権!

 煮付けや鍋物、干物や天ぷら‥‥どんな料理にしてもおいしいけれど、オススメはお寿司。酢飯と歯応えのある身に濃厚な肝のコラボレーションは、思わずうなるぐらいです。

【作り方】(1)カワハギは5枚におろして、寿司ネタの大きさに削ぎ切りにする。(2)肝を崩れないようにていねいに取り出し、サッと熱湯にくぐらせたら、氷で冷やした日本酒で血や汚れをていねいに取り、包丁で叩く。(3)ごはんと寿司酢を混ぜて酢飯を作り、一口大にして身とシャリを握る。を食らってしまいました。本命のアタリすらわからな(4)叩いた肝を乗せ、刻んだワケギを散らせば完成。

 カワハギの肝には何といっても日本酒が一番! おいしすぎてお酒が進むので‥‥飲みすぎ注意です★

【材料】カワハギ:2匹分の身と肝 ごはん:半合 寿司酢:15ml ワケギ:少々 日本酒:分量外

──今回お世話になったのは──

館山釣りセンターくろしお丸 0470・27・3807 千葉県館山市船形1362-14 http://kuroshiomaru.blogzine.jp/ 現在カワハギ釣りが好評出船中!カワハギが好きで看板を上げた敏腕船長が初めてでもていねいにレクチャーしてくれます。レンタルタックル有。

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