◆プロフィール ふくだあかり 「1年で魚を100種類釣る」を達成。海から淡水まで何でもござれのオールラウンダー。テレビ「フィッシング倶楽部」(テレ玉)やスポーツニッポン「ふくだあかりの竿頭になりたい!!」などで活躍中。茨城県出身。公式ブログ http://ameblo.jp/tsuri-365/
マグロといえば、日本人が大好きな魚の代表で、和食には欠かせません。マグロを置いてないお寿司屋さんは見たことがないですし、老若男女知らない人などいないほど知名度も人気もピカイチ。そんなマグロ、実は釣り人の間でも人気が高まってきているんです。
ちょっと前までマグロはプロの漁師さんが獲ってくるものだったんですが、道具が進化して、ルアーで狙えるようになったのがその理由。今では釣りをしている人なら、一度は釣ってみたい憧れの魚になりました。
マグロ釣りの魅力に捉われた人は、みんなバカ高い遠征費を払って、北から南、果ては海外にまで飛んで行くツワモノばかり。道具もやたらとお金がかかります。一式で軽く20万円を超えるものを何セットもそろえ、1万円もするようなハンドメイドルアーをごっそり買い込み、ラインやフックにまでこだわります。それこそ“マグロバカ”と言っても過言ではないほど。それぐらい魅力あるものなのです。一度追いかけたら最後、追うのをヤメられなくなるほど中毒性があって、抜け出すのは難しい‥‥。私もその魅力にどっぷりとハマり、マグロを追いかけて何度もいろいろな地へ足を運んでいるマグロバカの一人です。
さて、ひと言でマグロと言っても、日本にはクロマグロ、キハダ、コシナガ、ビンナガ、メバチと5種類がいます。今回の主人公はキハダと呼ばれるマグロ属の魚。全長は2メートルを超し、体重は200キロにもなる、まさに大物師の憧れのターゲットです。
そのキハダが近年、相模湾で釣れるようになりました。東京から車でわずか1時間ちょっとの場所で釣れるとなれば、釣り人の心がざわつくのも当然。釣れ始めたという話が出れば、平日でもマグロの遊魚船はいっぱいだし、船をチャーターして狙いに行くフリークも現れて、相模湾の海上が熱気に包まれます。
ただ、そこは憧れの魚だけあって、やすやすと釣れてくれるものではないんです。マグロとの遭遇を夢みて毎週海に通い続け、一日中海上を探し回っても1回も姿が見られないこともザラ。たとえ姿を見られたとしても、それを釣るに至るまでが難しく、空振りは当たり前。狙い続けていても釣れない人、釣り上げるまでに何年もかかる人もいるぐらい、難しい釣りなんです。
そんなキハダに憧れて相模湾に通い始めたのは10年の夏。釣りを始めてまだ2年ちょっとのペーペーがマグロをルアーで釣るというのですから、それは相当至難の業。高いタックルをそろえて、少しばかりのルアーを握りしめ、毎週通うようになったのですが‥‥。