スポーツ
Posted on 2024年05月07日 05:59

球界でただひとり「背番号100の名物球団オーナー」/あなたの知らないプロ野球「永久欠番」秘聞

2024年05月07日 05:59

 野球界の永久欠番で変わりダネといえば、日本ハムの「100」がある。通常、永久欠番は球団に功績があった選手、または楽天の「10」のように、スターティングメンバーの9人に続く10人目という意味で、ファンナンバーのために空けられている場合がある。

 だが日本ハムの場合は、まるで事情が違った。なにしろ、かつての球団オーナー、大社義規氏に与えられた番号なのである。

 大手食品メーカー、日本ハムの創業者である大社氏は、広島カープのオーナーだった松田耕平氏と並ぶ、無類の野球好きとして知られた。

 1973年に日拓ホームフライヤーズを買収。日本ハムファイターズのオーナーとなってからは新入団選手発表記者会見だけでなく、ドラフト会議にも出席した。試合観戦のため、日本ハムが本拠地にしていた後楽園球場や東京ドームを訪れ、グラウンドで選手を激励することもあった。仕事で球場に行けない日やビジターゲームでは、球場に日本ハム本社の社員を派遣して、試合経過を電話で報告させるほどだった。

 1981年、日本ハムがリーグ優勝を果たした際には、背番号「100」のユニフォーム姿で参加。喜びを爆発させて選手から胴上げされる姿が、マスコミ各社によって報道された。

 2005年に90歳で死去すると、本社のある大阪市北御堂で行われた葬儀では「ファイターズ賛歌」が流れ、チーム応援団が旗を振って送るなど、ファンにも愛された人物だった。

 大社氏は生前の野球界への貢献が高く評価されて、2009年1月13日に、特別表彰で野球殿堂入りを果たした。それを記念して、球団は背番号「100」を永久欠番にすることを決めたのである。

 長いプロ野球の歴史で、球団オーナーの永久欠番は大社氏ただひとりである。

(阿部勝彦)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月22日 20:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月17日 20:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月24日 20:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク