事件

歴史に秘められたニッポンの「陰謀論」を解け!(4)知られざる「太平洋戦争」の真実

 戦争の時代として記憶される昭和。その一大エポックとなったアメリカ・真珠湾奇襲攻撃には、知られざる驚愕の“陰謀”が隠されていた‥‥。

 真珠湾攻撃といえば、1941年12月8日未明(現地時間7日)、ハワイにあるアメリカ海軍太平洋艦隊の基地を日本軍が奇襲し、大損害を与えたというのが、歴史上の定説である。しかし、その“奇襲”という部分に陰謀が働く要素がある──そう話すのは、「陸軍中野学校のすべて」などの著作があるノンフィクション作家・斎藤充功氏だ。

「アメリカが日本の奇襲をまったく知らなかった、あるいは予期もしていなかったと考えるのはあまりにもナイーブで、当時の国際情勢を巡る秘密工作・情報機関の暗躍を無視していると言っていい」

 当時、どの国にも情報機関があった。それらの機関が情報を察知していたのだろうか。

「当然でしょう。アメリカにはMIS(陸軍情報部)という優秀な諜報機関があった。そのほかにもCIC(防諜隊)などの機関を持ち、日本よりも大きな規模で諜報活動を行っていた。日本の動きは逐次、厳重な監視下に置かれている。実際、真珠湾攻撃もかなり、読み切っていた。日本の大本営と日本海軍の間の打電によるやりとりも相当数、把握しており、その8割近くは解読されていた」(前出・斎藤氏)

 となると、真珠湾奇襲をアメリカは知っていたことになる。攻撃の7日前の12月1日、日本は御前会議において、「攻撃の30分以上前に」宣戦布告することを決定。翌2日の17時30分には、大本営が日本海軍機動部隊に対して、「ニイタカヤマノボレ一二〇八(ヒトフタマルハチ)」という暗号を打つ。

「ニイタカヤマノボレは真珠湾を攻撃せよ、一二〇八は言うまでもなく、12月8日のこと。実際、この打電どおりに攻撃は行われた。前述したように、アメリカは暗号の8割を解読していた。日本軍の奇襲攻撃が近々ありうることは想定していたが、ただ、残念ながら正確な日時までは把握できていなかった。だが、その日時を把握していたと思われる第三の勢力──それこそが、真珠湾“奇襲”攻撃の謀略的黒幕と言えるかもしれない」(前出・斎藤氏)

 驚愕すべき話だが、ズバリその存在とは誰なのか。

「それはイギリスです。日本とイギリスは真珠湾と同じ日、マレー半島への日本軍上陸をもって交戦状態となった。イギリスはアメリカ以上のインテリジェンス大国でMI6のような優秀な諜報機関を持っている。アメリカが把握できなかった真珠湾攻撃の日時をつかんでいた可能性がある」(前出・斎藤氏)

 MI6といえば、あのジェームズ・ボンドが(仮想の上で)所属する世界屈指の諜報機関だ。確かに、極秘情報をつかんでいても不思議ではないが、なぜ、同盟国であるアメリカに知らせなかったのだろうか。

「時の首相にして策謀の人、チャーチルの意向だと思う。当時、イギリスはヒトラーのナチスに押しまくられ、どうしてもアメリカの参戦が必要だった。そのためには、アメリカを本気にさせなければいけない。それが、奇襲察知をスルーした最大の理由になる」

 まさに、権謀術数渦巻く国際政治の本領発揮だ。しかし、このような冷徹な陰謀は真珠湾だけで行われたわけではない。

 1928年6月4日にも、不可解な陰謀が繰り広げられている。それが、中華民国・奉天(ほうてん)(当時)近郊で起こった軍閥の指導者・張作霖(ちょうさくりん)爆殺事件である。これは当時、「親日派」と目された張作霖が列車で移動中に爆殺され、そのことに激怒した日本軍部が中華民国に対して宣戦布告に動いていく‥‥という出来事だ。

「張作霖爆殺は、関東軍の謀殺という見方、あるいは中華民国の仕業、さらには中国共産党軍の謀略とさまざまな説が流布されている。どれをとっても陰謀であり、真相は藪の中だ。しかし、最終的に誰が得をしたのか、ということを考えなければいけない。それが最大のヒントになる」

 そう語る斎藤氏は、誰が得をしたかについてはあえて言葉を濁したが、こう話してくれた。

「当時、瀕死の張作霖が現場で『日本軍にやられた』と遺したと言われている。しかし、実は彼は病院に運ばれた時は生きていた。ところが、“死んだ”ことになってしまい、実際に死が公表された。明らかに、それを望んだ者がいるということ。これが陰謀であり、国際社会の常識です」

 人の死すら、謀略の一部分とする国際政治。まさに、陰謀を凌ぐ恐ろしさである。

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