芸能

秋元康氏の「冷徹」「恩情」が垣間見えたラストアイドル“卒業の美学”とは

 昨年8月にスタートしたアイドルオーディション番組の「ラストアイドル」(テレビ朝日系)。ここから生まれた“ラストアイドルファミリー”の2ndシングル発売記念コンサートが4月18日に開催された。本編では4月15日の放送で初登場した2期生12名も出演し、初々しい姿にファンも頬を緩ませていたが、一転してアンコールでは重苦しい空気が充満したという。

「アンコールでは2月に開催された1stコンサートと同様、メンバーが各ユニットごとに色分けされたコンサートTシャツで登場。ところがLaLuceの吉崎綾と古賀哉子、そしてGood Tears王林の3人だけはステージ衣装で登場し、その深刻そうな表情に会場を埋め尽くしたファンは『まさか、卒業!?』と息をのみました。そして最初に口を開いた王林が『このたびGood Tearsを卒業することになりました』と語ると、会場は水を打ったようにシーンとなったのです。普通のアイドルライブなら王林がしゃべりだす前に会場から『やめないで~!』の茶々が入り、客席に笑いが広がるものですが、この日ばかりは『ウソ…』というつぶやきが漏れ聞こえるだけ。本当のサプライズでは、人は言葉を失うものだと実感しました」(ライブを観覧していたアイドル誌編集者)

 おそらくは観客の誰一人として予期していなかった3人の卒業。旅立ちを決断した彼女たちにラストアイドルの運営サイドは、2ndシングルの発売ライブというハレの場で、みずから卒業の理由を説明させるという冷徹な判断を下したのである。もちろんその判断を最終的に下したのは総合プロデューサーの秋元康氏であることは間違いない。

「しかもラストアイドルにメンバーを参加させている各芸能事務所にさえ、今回の卒業劇は伝えられていなかったようです。情報漏れを防ぐというよりは、ラストアイドルの人事はあくまでラストアイドル内で完結させる。そんな秋元氏の冷静かつ冷徹な判断だったのかもしれません」(前出・アイドル誌編集者)

 本来なら華やかな雰囲気で終わるはずのアンコールが、諸行無常な空気に支配される。しかしそこには秋元氏が見せた温情もまた、感じられたというのだ。アイドル誌の編集者が続ける。

「今回のライブは中学生メンバーに配慮して、平日ながら午後6時に開演し、午後8時には終演するはずでした。しかし実際にはライブが押したことで中学生メンバーは途中で退出。その理由は卒業する3人の惜別スピーチに十二分な時間を与えたからでしょう。通常なら舞台演出側が卒業メンバーに指示を出し、スピーチを“巻く”ことで終演時間を守るはず。しかしラストアイドル側はこれが最後の晴れ舞台となる3人に、時間を気にすることなく思う存分しゃべらせることを優先したのです」

 そして卒業する3人には特別な場も用意されていた。アンコールで3人はラストアイドルのデビュー曲「バンドワゴン」を披露。セットリストに入っていなかったばかりか、これまで一度も披露されたことのないストリングス ver.で歌われたのである。

「運営側は3人のためだけにこの『ストリングス ver.』を用意し、はなむけとしました。さらに言えばこの3人は、開場前に影ナレも担当していたのです。所属ユニットの異なる3人が影ナレをしたことに意外さを感じたファンもいたかもしれませんが、実は彼女たちに特別な出番を用意してあげていたわけですね」(前出・アイドル誌編集者)

 いつかは必ず卒業するのがアイドルの定めであるならば、今回のライブで吉崎綾、古賀哉子、王林の3人は、アイドルの美学を体現していたのではないだろうか。

(金田麻有)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身