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記事全文を読む→ガッツ石松のOK偉人牧場<ニッポンの軍人>(3)負けの経験値が少なすぎた
今の官僚組織と一緒だな。勉強できるやつが出世して偉くなるけど、そういう連中に限って、人の痛みを知らない。そのくせ、プライドばっかり高くてね。五十六さんも東条さんも高学歴のインテリなんだよね。ちょっと鼻が高いっつーかな。「俺の他にトップ張れるやついるわけねーだろ」ぐらいに思ってたんじゃないの。
真珠湾とかマレー戦線とか、変なところで祝杯上げちゃったのもまずかったな。それが自分たちの実力だと思ったんだろうね。戦争はトータルで最終的に勝たないといけない。3ラウンドまでにダウンを奪って喜んだけど、最終的にKOされるようなもんだよね。
俺はボクシングのイロハがわかるまで8年かかったんだよ。11回負けて5回引き分けて、「ボクシングとは何ぞや」がやっとわかった。この体を使って経験を積み上げて、それでライト級の世界チャンピオンになって5度防衛できた。そうやって自分の経験、体験で積み上げた「形」がないと、チャンピオンにはなれない。
それと同じだね。五十六さんも東条さんも負け体験というか、経験値が少なすぎた。頭だけじゃ、一つの局面では勝てても、トータルでは勝てない。なのに国の舵取りまでやらせちゃったことが間違いだね。この2人はOK牧場じゃなくて、「NO(農)場」だな。
その点、天才参謀と呼ばれた陸軍中将の石原莞爾っていう人は、山本五十六や東条英機とはちょっと違うタイプだね。東条さんのことを「あんなバカにやらせたらダメだ」と堂々と批判したり、終戦後に「俺が指揮してたら、アメリカになんか負けなかった」ぐらいのことを言い放った。なかなかあの時代にそこまで言える人はいないよ。そういう意味では、異色の天才軍人だな。ただし、このタイプは帯に短しタスキに長しなんですよ。天才肌の人は人望がないんだね。「俺が俺が」って人の言うこと聞かないから、独裁になっちゃう。
ある面では、リーダーは独裁者でないとダメなんですよ。時には「こうだ!」ってやらなくちゃいけないけど、そう言ったあとにふんぞり返ってるようじゃダメ。周りにも目配りできないと。自分の意見を押し通したあとに「ちょっとやりすぎたかな」と必ず反省してるのが本当のリーダーだと思うね。周りの意見も聞きながら「あぁそうか、そうか」と、うまくこちらに引き付けていく。時にあまりにも違うこと言うやつには「おい、黙ってしゃべれ」。俺はよくそう言って黙らせたね。自分の意見を押し通すことも、相手の意見を聞くことも、相手を抑えることも必要。そうしてうまいことみんなをまとめる。それがガッツ流のリーダー論だな。
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