スポーツ
Posted on 2018年10月14日 09:56

武豊 4000勝の「初耳“裏”トリビア」18(3)左右にもたれる馬を仰天矯正

2018年10月14日 09:56

 競馬サークル関係者が振り返る。

「他馬に騎乗した騎手たちから、武への騎乗批判の声が相次いだのです。スポーツ紙もそれに合わせるかのように、センセーショナルな見出しで叩いた。以降、武とマスコミの関係は冷戦状態となり、同時に人間不信にも陥った。今でもあのレースのことに触れられるのは嫌なようです。その時の検量室の雰囲気を思い出したくないと‥‥」

 その後、問題のコーナーは、角度が少し緩くなるよう改修されている。

 武豊の競馬人生で、2010年はターニングポイントとなった重要な年だ。3月、毎日杯でザタイキに乗って落馬。鎖骨と腰椎骨折で、4カ月近い休養を余儀なくされた。復帰しても、その影響でなかなか勝てない。当然、騎乗回数も減っていく。ここで武は考えた。

「過去のレースを繰り返し見て、騎乗フォームやレースの組み立て方を再検討した。体も一から作り直そうと考えて、専属のトレーナーをつけて鍛え始めました。騎手に専属トレーナーというのは、あまり聞いたことがありません」(スポーツ紙競馬担当記者)

 そうして迎えた13年の日本ダービー。ディープインパクトの仔キズナで直線一気を決め、5回目のダービー制覇を果たしてみせた。

 今では「体もしっかりしているので、還暦まで乗れるのではないか」と漏らしているほど、自信に満ちている。もし毎日杯で落馬事故を経験しなければ、その後の競馬人生はだいぶ違ったものになっただろう。

「ちなみにトレーナーとは今日に至るまでほぼ毎日、一緒にトレーニングをしている。海外遠征の際にも、同伴しているぐらいです」(スポーツ紙競馬担当記者)

 知られざる珍プレーとして挙げたいのは、90年6月30日の4歳未勝利戦。1番人気馬サニーフェローに騎乗して勝利したのだが、なんと鞭を2本持ってレースに臨んでいた。同馬は左右にもたれる癖があり、それを見越して左右両方どちらにも鞭を持って矯正に備えたのだ。後にも先にも、2本持ちはこの時だけである。

 武は日本で最も1番人気馬に多く乗った騎手だが、単勝万馬券の馬に騎乗したことがないわけではない。ベテラン競馬ライターが言うには、

「これまで28回乗っており、14年3月1日の阪神5R(3歳未勝利)で13番人気、単勝151.5倍のエアジャモーサに騎乗し、逃げ粘って2着。デビュー以来、初めて単勝万馬券の馬で連対を果たしました

 これまで積み重ねた重賞勝利数は329。もちろん日本最多記録だが、実はいまだ騎乗していない平地重賞が存在する。すなわち、中山金杯、オーシャンステークス、新潟大賞典、サウジアラビアロイヤルカップ、福島記念、カペラステークス、ターコイズステークスの7競走だ。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク