JRAでは今週から福島・小倉での競馬が始まり、先週スタートした函館と合わせて、完全なローカル開催となる。この3場開催は有力騎手が分散されるので、まずはそのチェックから始めたい。
昨年、福島は15勝を挙げた戸崎圭太(写真)が、函館は13勝の横山武史が、小倉は13勝で松山弘平がリーディングジョッキーとなった。戸崎は4年連続で通算7回目、横山武は2年ぶり通算4回目、松山は2年ぶり通算4回目だった。近年の成績から、今年もこの3人が中心的な存在となる可能性は大である。
戸崎は今週の福島で土曜10鞍、日曜10鞍が予定されているが、その多くは人気馬であり、固め打ちの公算は大きい。中でも注目しているのは、ラジオNIKKEI賞(GⅢ、芝1800メートル)のバズアップビートだ。この春は落馬などもあって結果を残せなかったが、新馬戦で皐月賞4着馬ジョバンニの2着だったように、素質の高さは疑いようがない。メンバーが手薄の今回は、Vチャンスである。
ご当地騎手・田辺裕信が騎乗するビーオンザカバーにも要注意だ。田辺は2019年ブレイキングドーン、2024年オフトレイルでこのレースを勝っており、この春には福島牝馬Sをアドマイヤマツリで勝利して、福島4重賞を完全制覇した。まさに、福島マイスターといえる
横山武は開幕週の函館で4勝し、好スタートを切った。今週は土曜8鞍、日曜6鞍だが、そのうち7頭は前走で馬券に絡んでいる。今週も勝ち星を量産するチャンスだろう。
函館記念(GⅢ、芝2000メートル)では天皇賞・春11着のハヤテノフクノスケに騎乗するが、その時よりもメンバーは格段に楽になっている。
この他に挙げるとすれば、若手の佐々木大輔だ。函館はデビュー2年目の一昨年に18勝で開催リーディングジョッキーとなった競馬場だ。初重賞制覇は、この年の函館2歳Sのサトノカルナバル。函館記念ではヴェローチェエラに騎乗するが、重賞で上位に入っている馬だけに、要注意である。
松山は今週、小倉で土曜8鞍、日曜9鞍。注目馬は多いが、ここでは土曜5R新馬戦(九州産限定)に出走するウイントッペンを取り上げたい。栗東坂路で4F52秒3~1F12秒8を馬なりでマークしたように、仕上がりが抜群にいい。父エーシントップは短距離重賞を3勝した快速馬だったが、父譲りのスピードを受け継いでいるようだ。夏コク新馬の一番星になるに違いない。
(兜志郎/競馬ライター)