短期免許で来日しているマイケル・ディー騎手とダミアン・レーン騎手は、今週がラストウィーク。気持ちよく帰国できるようにと、エージェントが脈のある馬を揃えているため、馬券的にはいつも以上に要注意となる。
ディーはこれまで4勝。勝ち星こそ少ないが、NHKマイルCで12番人気のチェルビアットを3着に、宝塚記念で10番人気ジャスティンパレスを3着にもってきており、存在感をアピールしてみせた。初来日でこれだけやれれば、及第点を与えてもいいのではないか。
今週は東京で土曜7鞍、日曜7鞍に騎乗予定。土曜の注目馬は10R・相模湖特別のプリティディーヴァだ。
前走のNZT(GⅡ)は0秒2差の4着だったが、2着アドマイヤズームが朝日杯FSの勝ち馬だったように、レース価値は高い。2勝クラスの今回は1、3着の舞台に加え、斤量が53キロ。古馬初対戦となるが、勝ち負け必至だろう。
日曜の期待馬は7R・3歳以上1勝クラス(牝馬限定)のクラリネットソナタ。前走でディーが騎乗して、着差なしの2着だった。その後はここを目標にしっかり乗り込み、出走態勢は万全。走るごとにパワーアップしている今なら、このクラスを卒業できるだろう。53キロの斤量も魅力だ。
レーンはこれまで25勝。ヘデントールでの天皇賞・春の勝利もあって、中身は濃い。それだけに騎乗依頼は多く、今週も東京で土曜9鞍、日曜8鞍を予定している。全て有力馬なので、固め打ちがあるかもしれない。
取り上げたいのは、4頭で挑む新馬戦だ。なにしろ騎乗機会4連勝と、十八番にしているレース。
そのトップを切って騎乗するのが、土曜5R・芝1800メートルのダノンオブアイデアである。セレクトセールで3億6300万円という高額取引されたエピファネイア産駒の牡馬で、来春のダービーを睨んでの登場といわれる。しかし、手強い相手が揃っており、楽な競馬にはなりそうもない。
その相手とは、今年のダービー馬の全弟チャリングクロス、フラワーCの勝ち馬ミアネーロの半弟モノポリオ、青葉賞の勝ち馬ワンダフルタウンの全弟ワンダフルデイズなどだ。
レーンの新馬戦で勝負するなら、6R・ダート1400メートルのアルカディアカフェ、日曜5R・芝1600メートルのダーリングハーストが「無難」か。2頭ともGⅠ馬がいる良血で、調教の動きは力強い。
最後に登場する日曜6R・芝1400メートルのアーガイルショアはダート血統ゆえ、3番手から4番手の評価が妥当なところだろう。
(兜志郎/競馬ライター)