今週のGⅢ・ラジオNIKKEI賞(6月29日、福島・芝1800メートル)は、JRA唯一の3歳馬限定ハンデ重賞として行われる。過去10年のレース結果から浮かび上がってくる大波乱の主役は、白百合ステークス(京都・芝1800メートル)とプリンシパルステークス(東京・芝2000メートル)から駒を進めてきた「リステッド組」である。
今年は白百合S組から4頭が参戦。2着のセンツブラッド(牡3)と3着のバズアップビート(牡3)が有力だが、ハンデ差を考えると、6着のスナークピカソ(牡3)と9着のアタラシイカドデニ(牡3)にも大いにチャンスがありそうだ。中でも先行力を生かせるスナークピカソには、一発のムードが漂う。
一方、プリンシパルSからの参戦馬は、4着のショウナンマクベス(牡3)と9着のインパクトシー(牡3)の2頭で、両馬のハンデ差はわずかに1キロ。重賞での着順を考えるとショウナンマクベスに利がありそうだが、未勝利戦で2着馬に4馬身差の圧勝劇があるインパクトシーは侮れない存在だ。
別路線組ではモティスフォント(牡3)、ビーオンザカバー(牡3)、トレサフィール(牡3)、エーオーキング(牡3)、エキサイトバイオ(牡3)の4頭にも、馬券圏内の可能性がある。中でも名手ルメールが引き続き手綱を取るモティスフォントは、要マークだ。
GⅡ・スプリングS(中山・芝1800メートル)2着⇒GⅠ・皐月賞(中山・芝2000メートル)16着からの巻き返しを狙うフクノブルーレイク(牡3)の負担重量は、トップハンデの57キロ。過去10年を振り返ると、トップハンデ馬の優勝は1回のみだが、53キロ馬の1勝、54キロ馬の3勝、55キロ馬の3勝、56キロ馬の2勝という戦績を考えると、優勝を含めたフクノブルーレイクの食い込みは大いにありうる。
したがって、大波乱の軸をどうしても絞り込めない場合には、フクノブルーレイクを馬券の軸とする手も一法だろう。馬連、ワイド、3連複、3連単のヒモ穴に伏兵馬が飛び込めば、手広く流したとしても、大きなリターンを得られるはずだ。
ちなみに、レース当日の芝コースは良馬場が見込まれており、馬場の悪化を気にする必要はなさそうである。
(日高次郎/競馬アナリスト)