7月19日に開幕する新日本プロレスの真夏の一大イベント「G1 CLIMAX 35」を前に、またもや物議を醸す出来事が起きた。
7.4東京武道館大会で「出場者決定戦」が行われ、残りの出場枠をかけてドン・ファレと大岩陵平の対戦が決まっていた。しかしファレが身内の不幸のため、欠場することが決定。代わって小島聡の出場となったのだ。これに出たのが、次のような疑問の声だった。
「なぜ真夏の最強戦士決定戦に、いきなり54歳のベテランが代打で起用されたのか」
「NOAHで武者修行して帰って来た期待のホープの相手にふさわしいのか」
選手も納得がいかない様子で、出場を目指していたベテランの本間朋晃は、次のようにXで不満をブチまけた。
〈小島さんが素晴らしい選手ってのはもちろんだけど納得できないなあ 出場者決定戦も落選した俺は顔じゃないかもしれない 俺だってG1出たい〉
出場者決定戦をめぐっては、東京オリンピック柔道男子100キロ級で金メダルを獲得したウルフ・アロンの新日本入団会見の日と、G1出場枠を争うカードが組まれた6.23後楽園大会が丸かぶりしたことで、話題はウルフ一色に。選手やファンから「同じ日にする必要があったのか」として、波紋を広げたばかりだった。
またしても起きたスッキリしない現実を、格闘技ライターはこう解説した。
「今回のG1は出場20選手のうち、16選手が先に発表されました。残りの4枠は『出場者決定戦』で決めることになったわけですが、出場できる基準が曖昧なんです。昨年はかなわなかった棚橋弘至が引退ロードの最中に唐突に名前を連ねる一方、5.4福岡国際センターで後藤洋央紀が持つIWGP世界ヘビー級王座に挑戦したカラム・ニューマンが、なぜか出場者決定戦に回されることに。過去の実績が必要だったり、それこそSNSのフォロワーが人気のバロメーターとして求められるなど、とにかく明確なボーダーラインがない。そのたびに物議を醸してしまうのです」
仮に小島が大岩に勝利してG1参戦となれば、史上最年長出場記録を更新することになる。こうした話題作りが透けて見えるのも、反感を買ってしまう理由ではないか。
(風吹啓太)