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記事全文を読む→「老境おひとり様生活」の過酷な現実(3)「無縁遺骨」になって自治体へ
子供が所帯を持てば、別居が当たり前のご時世、子供がいたとしても容易に頼れない‥‥それが現代生活の特徴だ。孤独死を逃れるためにも、妻ではない他人とつながりを持ち、社会との関わりを継続させることが必須となる。
「仕事を通しての立場がなくなってからは、個としての関わり合いで生きていくのですから、遠くの家族より近くの他人、という意識を持つことが大事です。近所の人とも挨拶を交わし、食べ物のことでも何でもいいから、暮らしの話をすること。そして相手の話をきちんと聞く。相手に関心を持つことで、会話力は自然と上がっていきます。できれば異性の友人を作ったほうがいい」
親密な女性ができれば一線を越えるスケベ心も生まれ、積極的に生きる没イチ男の余生に役立ちそうだが、
「一線を越える“能力”があるかどうかですが(笑)」
妻の死後、今度は自分が死ぬまでの間にやっておくべき大事なことも山積している。
「自分の葬式をどうするか。葬儀があることを知らせたい人のリストを、子供や親戚のために作っておかないと」
さらに、死に際して、自分をどうしてほしいかという意思を誰かに伝えること。もし自分が自立できなくなったり、ボケてしまったことを想定した場合、「任意後見人制度」なるものを利用することができる。これは特定の後見人を指名して、当事者同士の契約で報酬(一般的に2万~3万円)を支払い、財産の管理や処分を託す制度で、後見人は親族でなくてもかまわない。残された親族に迷惑をかけたくないから延命治療を避けたい、という場合には、「リヴィングウィル」という事前指示書を書くことも重要だ。
「あとは遺言書にも気をつけなくてはいけません。自分で書いた遺言書を封筒に入れておいた場合、家庭裁判所で検認手続きをする前に遺族が開けてしまえば、効力がなくなるんです。きちんと執行してもらえる遺言を残したいなら、公証役場で作成できる公正証書遺言にしてください。遺言書は財産の管理に関しての効力が主体なので、葬儀の希望は親族に頼んでおくか、任意後見人と死後事務委任契約を結んでおくことをお勧めします」
そして、お墓の問題も。
「親族がいたとしても、子供はもとより、甥姪くらいの間柄だと、叔父さんが入るお墓の場所など知りません。先立った妻の情報とともに、きちんと伝えておいてください。子供がいない場合など、無縁遺骨になって、自治体に引き取られることになりますよ」
最後に、小谷氏は言う。
「没イチを考えるということは、終活を考える‥‥つまり、自分の人生をもう一度、再構築してみる機会でもあります。こだわりを持って自分の人生を全うする幸せを味わう。そのチャンスだと思いますね」
俺には関係ない、と思っている読者諸兄も、明日の我が身を考え、人生の転換期をシミュレーションしてみるべきではなかろうか。
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