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記事全文を読む→池上彰「TPP参加後の庶民生活」超解説(1)鳥インフルと国民皆保険制度
「どうか私を信用してもらいたい」と安倍総理が強行突破したTPP交渉。反対派からは「農業が全滅する」「皆保険制度が崩壊する」などの悲鳴が上がっている。我々の生活はどう変わるのか? 本誌でもおなじみのジャーナリスト・池上彰スペシャル第1弾は「TPP後のニッポン」。不透明な時代をミスターニュースがズパッと解決する!
──安倍総理がかねてより参加を表明していたTPP(環太平洋経済連携協定)が、待ったなしの状況です。今日は我々の生活に大きく直結してくるTPPについて教えてください。
はい、わかりました。でも正確に言えば、現時点ではTPP協議への参加を表明したということで、参加が決まったわけではありませんよ。ところで、今もっと大変なことが中国で起こっているのは知っていますか?
──それは、鳥インフルエンザのことですか?
そのとおりです。死者は17人、感染者は84人(4月18日現在)と広がっていますが、日本と違い健康保険制度のしっかりしていない中国では医者にかかれない人がたくさんいるんです。
──つまり、感染の拡大はこれだけでは収まらないということでしょうか?
ええ、さっそく日本でも新型インフルエンザ特別措置法を4月13日から施行しました。ちょっと脱線しますが、これを細かく読むと、墓地に関する特例として、公園に遺体を仮埋葬してもいいとしている。つまり火葬場が24時間体制で稼働しても間に合わなくなるという事態まで想定しているんです。実は、1919年に日本でスペイン風邪が大流行した時にまさにそれが起きているんです。当時の死者数は約38万人、現在の人口ではざっくり100万人の死者が出たことになるという大惨事で、火葬できないまま遺体が積み重なって大変なことになった。
──驚くべき数ですね。
ちなみに言うと、09年にメキシコ発で豚インフルエンザが世界的に大流行しましたが、あの時、世界でいちばん患者が多かったのはどこか知っていますか?
──メキシコじゃないんですか?
残念! 実は日本なんですよ。
──えぇー、そうだったんですか?
はい、日本は健康皆保険制度があるので、インフルエンザの症状が出た人は医者に行って、タミフルなど抗インフルエンザウイルス薬が処方されるでしょ。ところがアメリカやメキシコなどでは、医療保険に入っていない人が大半だから医者になんか行かないわけです。この時、メキシコは異常に死亡率が高いと言われていたんですが、あとになってみれば医者にかからないままの人がたくさんいて、特に悪化した人が病院に担ぎ込まれて死亡したという顛末だったんです。
──日本では風邪でも、インフルエンザでもすぐ医者に行きますが‥‥。
行くでしょ、普通。でも世界で言えば珍しいんですよ。こうして見ると日本の健康保険制度というのはものすごく優れているということがわかるでしょ。で、これが今後のTPPにもつながってくるんですよ。
──待ってました。お願いします。
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