社会
Posted on 2020年01月27日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<おたふく風邪>「高熱と痛みで睾丸が腫れ受精能力低下も…」

2020年01月27日 05:55

 おたふく風邪は後遺症の残る怖い病気だ。流行性耳下腺炎と言われ、ムンプスウイルスの感染によって発症する。感染力が非常に強く、ウイルスの入った咳やくしゃみを吸い込む飛沫感染や、接触感染によって広がる。

 ウイルスそのものに対する治療法がまだ確立されていないため、解熱剤や鎮痛薬などによって対症療法を行う以外に方法はない。

 先進国で唯一、日本は定期接種を行っていないために、4~5年ごとに流行を繰り返しているのが特徴だ

 主な症状として、発熱、片側あるいは両側の頬や顎の下付近の腫れがある。ただし、感染してからすぐには目立った症状が出ず、平均で18日前後の潜伏期間を経て発症する。また、大人の場合、あまり症状が出ない人もいるため、本人が感染に気づかないうちに、周りの人にうつしてしまうケースが多い。

 大人がかかると怖いのは合併症だ。精子を作る睾丸に炎症が生じる「精巣炎」は、尿道から細菌が侵入して起こる場合もマレにあるが、大半はおたふく風邪によるもの。高熱とともに痛みを伴って睾丸が腫れてくる。治療が遅れると、1割程度は受精能力が低くなってしまい、不妊の原因になることもある。

 他に怖いのが、「ムンプス難聴(感音性難聴)」。ムンプスウイルスの内耳感染によって生じる難聴で、内耳にある蝸牛という、音を感じる器官や聴神経などの異常によって起こる。発症すると聴力は改善しにくい

 おたふく風邪は基本的に一度かかるともうかからないと思われているが、免疫が不十分な場合には再発する場合もある。特に家族に妊婦がいる場合は、必ず抗体検査を受け、抗体がない場合にはワクチン接種をしておくことが必要だ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2022年07月05日 17:58

    可愛さ余って憎さ百倍。いやはや、この2人のバトルは本当にすさまじかった。沢口靖子が主演したNHK連続テレビ小説「澪つくし」や、渡辺謙主演の大河ドラマ「独眼竜正宗」の脚本を手掛け、飛ぶ鳥を落とす勢いだった脚本家のジェームス三木氏。ところが19...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年07月31日 06:45

    堺雅人主演ドラマ「VIVANT」(TBS系)が3年ぶりの続編でも、圧倒的な存在感を放っている。第2シーズンの初回放送は、平均世帯視聴率18.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録。放送中にはXで世界トレンド1位になった。前作は2023年...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年08月06日 17:00

    2024年7月に停車中のロケバス内で共演者の女性に性的暴行をしたとして、不同意性交と不同意わいせつの罪に問われたのは、元お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二被告だ。その第6回公判が8月5日に東京地裁で開かれ、検察側は懲役7年を求刑。...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/8/4発売
    ■690円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク