芸能

ビートたけしの名言集「下の者を楽しげに酒席へ誘ってくれる殿」

 これはわたくしの勝手な持論ですが、親分、ボス、リーダー、師匠などなど、部下や弟子や子分などを従える方は大抵、下の者へのお酒の誘いが大変上手です。たとえ立場が上であっても、誘い方にははっきりと、うまい、ヘタがあります。

 で、長らくたけし軍団という“裸がユニホーム”な、極めて特異な団体に所属し、下から数えたほうが断然早い、圧倒的下っ端な立場を定位置としてきたわたくしは、殿や先輩方に、それはそれは見事にお酒をご馳走になり続けています。

 そんなわたくしがずうずうしいのを承知で言わせていただければ「飲みへはさらっと楽しげに誘ってほしい」ということ。この「さらっと楽しげに誘う」ことができる人ほど、持って生まれた親分肌の数値が高く、ほっといても周りから“あなたがボスです!”となる大物であると、勝手ながら感じています。

 弟子が師匠の“誘い方”を分析するのもいかがなものかと思いますが、殿は本当に“それ”が抜群に上手です。

 2年程前、局のスタッフさんらと午前0時過ぎに打ち合わせを終えた殿は“そろそろ帰るか”といった感じで席を立った瞬間、「そうだ。おい、いいツマミが入ったからよ、今から俺ん家でちょっと飲むか?」と、まずはわたくしを誘うと、すぐさま続けて、「○○さんたちもよかったらどう? 来ない?」と、局のスタッフさんらを実にさらっと誘い、深夜のミニ宴会開催を宣言されたのです。ちなみに殿が言う「いいツマミ」とは、殿がこれまでの芸能生活で知り合った方々から日々続々と送られてくる名産品の数々です。で、この他にも、

「おい、○○の横に今にも潰れそうな怪しい焼き鳥屋あったろ? あそこちょっと行ってみるか」

「お前らが普段飲んでる、中野あたりのうまくもまずくも何ともない焼き鳥屋あんだろ? ちょっとそこ連れてってくれよ」

「いかにも体に悪そうな焼酎出してる店で、たまにはお前らと飲むか」

 等々、とにかく殿の誘い方は“抜群”です。

 中でも、つい吹き出し、うれしくなった殿の誘い方といえば2016年、浅草公会堂にて開催された「ビートたけし単独ライブ」にて「打ち上げで殿と飲めるよ」と、日当の他に“オマケ”を付けて、会場で販売する「たけしグッズ」の売り子のお手伝いをわたくしの友人芸人5名にお願いしたことがありました。この時、ライブを終え、ロビーの前を通って外の打ち上げ会場に向かった殿は、グッズ売り場の前を横切った際、芸人5名に対し、

「おい、あんちゃんたちも焼酎屋(打ち上げ会場ね)に来んだろ? じゃーあとでな」

 と、さらっと声をかけ、立ち去ったのです。後日、声をかけられた芸人の1人は「あんな言葉をたけしさんからかけられたら、酒飲む前にもうメロメロで、たけしさんに酔っちゃいましたよ」と、うれしそ~に振り返っていました。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身