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我が青春の週刊少年ジャンプ(15)漫画家の卵を編集者たちが支えた

 今でこそ漫画は日本の誇る文化と位置づけられているが、ジャンプ創刊から間もない60年代後半から70年代には、まだまだ新興産業であった。

 新人作家が中心だったジャンプだが、産業としても未成熟で、今からするとおおらかなエピソードも多い。ある意味では、漫画自体が産業として“新人”だったのだ。

 だが、未成熟だった分、漫画家と編集者は公私を超えた関係でもあった。高度経済成長を経たとはいえ、まだまだ貧しかった時代、学校を出たばかりの漫画家の卵を編集者たちはさまざまな形で支えていった。

 西村は著書「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」の中で、新人が来ると、とにかく御飯をおごっていたと書いている。新人に「集英社に行けば、おなかいっぱい食べさせてもらえる」と思わせるためだったという。

 だが、創刊間もなく、大作家を抱える予算もない編集部に、潤沢な経費などない。西村は「ある時期までは自腹もたくさん切ったよ」と、笑いながら語る。

「僕自身も金銭感覚がない人間だから、結婚してからもさんざん使っちゃってね。精算できない領収書が束になるくらいたまってた。ある時、嫁さんが怒って、当時編集長だった長野(規)さんに『こんなに(自腹でお金を)使わないと仕事ができない会社なんですか!』って詰め寄っちゃったことがあったよ(笑)」

 とはいえ、編集部の誰もが多かれ少なかれ、落とせない領収書を抱えながら仕事をしていた時代。陳情を受けた長野もさぞかし困ったのであろう。当時、副編集長だった中野祐介(のちの少年ジャンプ2代目編集長に就任)に「自腹で仕事させるようなことをするな」と言い渡し、その場を収めたという。

 もちろん、新人漫画家への支援は金銭面に限らない。デビューにあたって住むところを探したり、子育てを手伝ったりと、プライベートと仕事の境目なく、作家をサポートしていたと角南は振り返っている。

 苦肉の策として決まった「新人重視主義」は、こうした公私を隔てぬ作家との関わりの中で成熟し、ジャンプのカラーへとなっていったのだ。

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