社会
Posted on 2020年07月27日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)>「スマホ時代の蔓延症状。大豆を食べて予防を」

2020年07月27日 05:55

 パソコンやスマホの使いすぎで急増している病気が「狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん・ドケルバン病)」だ。手首から親指の付け根周辺に炎症が起こる病気で、片手でスマートフォンの操作を行う人によく見られるため、別名「スマホ腱鞘炎」とも呼ばれている。

 かつては美容師や音楽家、スポーツ選手ら、手をよく使う人たちの「職業病」というイメージだったが、今や一変しているのだ。

 腱鞘炎は親指を伸ばしたり広げたりする働きをする腱が、それらを包んでいる「腱鞘」との間に炎症を起こして発症する。親指の使いすぎで腱の表面が傷んだり、腱を通すトンネル的役割を持つ「腱鞘」が負荷によって厚くなったりすることで、その内径が狭くなるためだ。

 主な症状は、手首の親指側に腫れと痛みが出る。また、モノを握ったりつかんだりした時にも痛みを感じたり、手指も開きにくくなってくる。親指を内側に入れ、軽くげんこつを作り、小指側に90度ゆっくり回転させてみて、手首あたりに違和感や痛みがある場合は要注意。

 治療は湿布を使用したり、局所を装具で固定させたりして、安静にすること。炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬を処方されることも多い。痛みや炎症、腫れが強い場合には、腱鞘内に麻酔剤入りのステロイド注射をする。それでも改善しない場合は外科手術をせざるをえない。

 予防は、スマホは必ず両手で操作し、本をめくるなどの手首を返す動きをやめることだ。また、豆腐や納豆、みそなどの食品を摂取することをお勧めする。大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、ドケルバン病を予防すると言われるエストロゲンに似た作用を持つためだ。さらに、パソコン作業が長く続く時は、親指の付け根部分を、手のひらでマッサージするのもよいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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