芸能

ビートたけしの名言集「殿の磁力に引き寄せられたおかしな人々」

「そういえば昔、『たけしさんがテレビの中から私に電波を送っています。たけしさんは私にお金を貸したがっています。200万貸してください』なんてのが事務所に訪ねてきたことあったな」

 先日、楽屋のテレビで殿とニュース番組を何気なく眺めていると〈某アイドルがストーカーの被害に遭い、怖い思いをした〉といった事件が紹介されていて、そのニュースを見た殿は、「しかしどこにでも危ね~ヤツいるな」と、一言添えてから、冒頭の言葉を続けたのです。

 80年代初頭の漫才ブームでドカンと売れてから、約40年近くにわたってテレビに出続けている殿の下には時折、明らかにおかしな方々がやってきます。

 わたくしも付き人時代、見た瞬間に〈こいつ、危ね~な〉と感じる、“誰がどう見ても普通ではない人”に何度もお目にかかっています。

 以前、ある現場に殿が車で入るのを待っていると、どこからともなくすーっと現れた男がいきなり「たけしさんはもうすぐですか?」と話しかけてきたのです。その男、体は小柄で、見た感じ30代後半。服装は冬だというのに膝から下が切れている半ズボン。上はクタクタによれて黄ばみがかったグレーのパーカーのみ。顔は青白く、唇がカサカサに荒れていて、歯並びが異常に悪く、目と目の間にある大きなホクロから長い毛が1本生えていて、とにかく“ちょっと普通じゃない空気”を存分に漂わせていました。

 で、わたくしが聞かれた質問に無視を決め込み、何とかやり過ごそうと相手にしない態度を取ると、その男はいきなり「俺はたけしにここに来るように言われたんだよ! たけしから弟子になってくれって頼まれて来たんだよ! 何度もたけしとは電話でしゃべってんだよ!」と、口から泡を飛ばしてまくしたてたのです。正直、怖いとは思いましたが、その男が小柄だったため〈いざとなったら何とかなるか〉と判断し、再度無視を決め込み、一旦その場を離れてから、こちらに向かっている殿の運転手に電話を入れ、停車位置を変更してもらって、なんとか事なきを得たのです。

 よくも悪くも、殿が持っている強烈な磁力に引き寄せられ、本当にさまざまな“普通じゃない方々”がやってきます。そして“おかしな手紙”なども、わんさか届くのです。

 そんな手紙の中から、殿から聞いた中でも最もトンチンカンなものをどうぞ。

〈たけしさん、私は趣味でフラダンスをやっております。そこで、どうしても本場ハワイのフラダンスを見なければならず、1年くらいハワイに留学しなくてはいけません。つきましては、その費用として、1000万ほどお借りできないでしょうか?〉

 この手紙を読んだ殿は

「なんで俺が知らねーヤツのフラダンス修業の金を出さなきゃいけね~んだよ!」

 と、実に真っ当なツッコミを入れていました。そりゃそうだ。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身