芸能
Posted on 2022年08月19日 05:59

異端発掘!ニッポン「ロック革命的名盤」/B.Bキングと共演「ウェスト・ロード・ブルース・バンド」はディープな関西風

2022年08月19日 05:59

 京都の西小路あたりを闊歩していたことから命名された「ウエスト・ロード・ブルース・バンド」が、ファースト・アルバム「BLUES POWER」でデビューしたのは、関西を中心にブルース・ブームが巻き起こっていた75年。

 バンドは70年に同志社大学の軽音楽部に在籍する永井“ホトケ”隆 (vo)、塩次伸二 (g)、小堀正 (b)の3人を中心に結成。当初はオールマンやジョン・メイオールなど、ホワイトブルース系レパートリーを演奏していたが、山岸潤史 (g)の加入により、B.Bキング、Tボーン・ウォーカーといったモダン・ブルースを追及していくようになる。

 地元・京都での活動を通じ、その名を広げていった彼らは、72年にB.Bキングの大阪公演でオープニングアクトを務め、関西にウェスト・ロードあり、と言われる存在に。

 ウェスト・ロードの特筆すべき点は、塩次と山岸との壮絶なギターバトルと、永井のワイルドなヴォーカルに加え、タイトでへヴィなリズムセクション。そんな彼らの魅力が詰まったアルバムが、東京のモウリ・スタジオでオーバーダビングなし、全曲一発録りの「BLUES POWER」だった。

 ファンキーなギターとハモンドが冴える1曲目、ロウエル・フルソンの「Tramp」に始まり、「T-Bone Shuffle」「It’s My Own Fault」と続くナンバーは、いずれもブルージーだがソリッド。

 4曲目「Cold Cold Feeling」では、Tボーンばりの塩次のジャジーなギターワークにド肝を抜かされる。続くのが、A面最後を飾る「I’ll Drown In My Own Tears」。レイ・チャールズがアトランティック時代にレコーディングした名曲だが、永井のヴォーカルに絡みつく、「下北沢のジャニス・ジョプリン」こと、金子マリ(当時はスモーキー・メディスンに在籍)のバック・コーラスは鳥肌モノだ。

 アルバムは全9曲。ラストは、ビー・ウィー・クレイトンの演奏で知られる「Blues After Hours」だが、70年代という時代に黒人音楽のスタイルをそのまま踏襲し、それを関西風ディープ・ブルースとして見事に昇華した彼らの実力には、今聴いても驚かされるばかりだ。

 ウェスト・ロードは、75年11月、2枚目にして初のライブ・アルバム「WEST ROAD LIVE IN KYOTO」を発売するも、76年末には惜しまれながら解散。だが、83年にオリジナル・メンバーで復活し、84年にはスタジオ録音の「ジャンクション」をリリース。永井の吠えるようなヴォーカル健在に、ファンは歓喜したものである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年06月24日 07:15

    ドジャース・大谷翔平の第二子誕生をめぐって、フェミニストを名乗る女性たちがSNS上で「多産DVだ」「年子出産は女性虐待だ」と騒いでいる。大谷夫妻は昨年4月20日に第一子誕生を報告、この6月20日に第二子誕生をアナウンスした。これら誹謗中傷コ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年06月24日 11:30

    一発出たら同点。3-7と4点をリードされて迎えた7回裏、二死満塁の場面。この日いちばんの勝負どころで、広島・新井貴浩監督がベンチから送り出した代打は捕手・石原貴規だった。結果は空振り三振。最大の山場でなぜ、より長打を見込める打者を送り込まな...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年06月24日 13:30

    これはトレードのショーケースなのだろうか。そう思ってしまったのは、阪神タイガースの梅野隆太郎捕手が2軍から再昇格し、6月23日のヤクルト戦に即スタメン出場して攻守に高い能力を見せつけたことだ。1-0とリードした5回に二塁打を放ってチャンスメ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/6/23発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク