芸能
Posted on 2022年11月20日 17:59

THE MODS「激しい雨が」を生んだ記録的豪雨の野外ライブ/日本音楽シーン「名作裏面史」

2022年11月20日 17:59

 81年発売のロンドン録音によるデビュー作「FIGHT OR FLIGHT」発売から、今年で結成41年目を迎えたTHE MODSが11月9日、アコースティック・マキシシングル「DRIVE WAY JIVE」を発売。11月25日から名古屋「BOTTOM LINE」を皮切りに「THE MODS Premium Acoustic Tour 2022 DRIVE WAY JIVE」と題するライブを開催する。

 THE MODSは森山達也(vo,g)が結成した前身バンド「開戦前夜」「THE MOZZ」を経て、74年に誕生したルースターズ、ロッカーズと並ぶ、めんたいビート・バンド。不良少年のやるせなさを直球のロックンロールに乗せた、「クラッシュ」直系でありがながら、情感豊かに歌い上げる森山のボーカルが、他のパンクスたちと一線を画すクオリティーを放っていた。

 そんな彼らの「伝説の一夜」となったのは、82年6月20日。記録的豪雨の中、日比谷野音で開催されたワンマンライブである。

 森山のインタビューによれば、当日の昼は晴天だったが「8曲目あたりから雨がぽつりぽつりきて、最後はスゴイ雨になって。ギターは壊れていくわ、アンプは鳴んなくなるわ、マイクは潰れていくわ」で、最後に残ったギターは1本だけだったのだとか。

 そんな中で数人の客が歌い始め、やがて怒涛の大合唱が野音を包み込んだという。森山は「電気の力は弱いけど、電気は自然に負けるけど、人間は大丈夫だって」と語っている。

 翌83年9月、森山が書き上げた「激しい雨が」が「マクセルUD I」のCMソングに起用され、彼ら自身もキャラクターとして出演すると、普段はロックなど聴いたことがない一般リスナーをも引き付け、一躍、人気を得ることになる。

 そんなTHE MODSがこの年の11月に発売し、のちにゴールでディスク獲得となるのが、通算5枚目のアルバム「HANDS UP」だった。

「激しい雨が」ほか全10曲が並ぶアルバムは、シンプルだがドラマ性を帯びている曲が多い。社会からつまはじきにされ、矛盾に押しつぶされながらも大切なものを守り抜いていく…そんな気恥ずかしいような主人公の葛藤が、見事に描かれていた。

 彼らのベースにあるのは、「奴ら」に対する「俺たち」。そして古くからのファンは、ライブ会場でこう叫んだ。「We are The MODS」。「ここにいる全員が、モッズだ!」と。

 40年の時を経てもなお、THE MODSは、全国の不良少年のアニキ的存在として、愛され続けているのだ。

(山川敦司)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク