社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<HSP>紙ストローが苦手な人は感覚過敏の可能性も!?

 脱プラスチックの取り組みで、飲食店がプラスチック製のストローから紙ストローへ切り替えているが、「飲みにくい」「口当たりが悪い」などの声がSNSで上がっているのをご存じか。

 実は単なる不快感ではなく「HSP」によるものかもしれない。

「HSP」は、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、生まれつき敏感で周囲からの影響を過度に受けやすい「繊細な人」を指す。アメリカの心理学者・アーロン博士が提唱した「人の気質」を表す名称で、人口の約5人に1人は当てはまると言われている。特に、日本人は真面目な国民性から「HSP」の割合が比較的高いと言われている。

「HSP」には4つの特徴的な性質がある。

【1】考え方が複雑で、深く考えてから行動する

【2】刺激に過敏に反応してしまう

【3】感情の反応が強く、共感力が強い

【4】あらゆる感覚が鋭い

 具体的な例としては、時計の秒針が気になったり、人混みや大きな音が苦手、食品添加物に敏感に反応する、直感が優れていることが挙げられる。

「HSP」は、感覚的な刺激に対して無意識的・反射的に対応する脳の部位の「扁桃体」の動きが活発なことが原因だ。うつ病と異なり先天的なもので、決して「病気」ではなく、あくまで本人の「気質」によるものだ。そのため治療法が存在しないのが厄介な点だ。

 しかし、放置しておくと、日常生活に影響が及んだり、ストレスによるうつ病や胃腸炎などの疾患に移行してしまう場合もある。自分1人では対処できないようであれば、カウンセラーや心療内科・精神科などに相談してみるのがよいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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