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記事全文を読む→世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「最盛期の西武に匹敵するオリックス」
オリックスにまた怪物級の投手が出てきた。高卒3年目右腕の山下舜平大(しゅんぺいた)。4月11日の楽天戦で5回無失点、10奪三振でプロ初勝利を挙げた。190センチの長身からズドンと投げ下ろすストレートは常時150キロを超え、落差の大きい縦割れのカーブで打者の目線をズラすことができる。タイプ的には江川卓を一回り大きくした感じ。今年から野茂に教えてもらったフォークも武器にして、一気に頭角を現した。
白星を挙げた楽天戦はプロ2度目の登板で、デビュー戦は何と3月31日の開幕の西武戦やった。白星こそつかなかったが、6回途中まで1失点の好投。WBCに参加していた山本由伸、宮城が間に合わなかったとはいえ、公式戦登板経験なしの投手が開幕投手を務めるのは異例の大抜擢。中嶋監督の期待の大きさがわかる。
それにしても、他球団が羨むほど次から次にすごい投手が育ってくる。昨年はリリーフで山崎颯一郎、宇田川がブレイクして、リーグ連覇に貢献した。今年の山下もそうやし、みんな球が速い。スカウトの見る目があるのか、コーチが育てるのがうまいのか。山本由伸という素晴らしい手本がいるのも大きい。WBCでアメリカとの決勝戦を前に「憧れるのをやめましょう」と言った大谷ではないけど、オリックスの若手投手らは由伸に憧れるだけでなく、「俺らも頑張れば同じようになれる」と見ているんとちゃうかな。
僕らの現役時代は西武が投手王国やった。ビジターで西武球場に行くと、投手陣は西武の2軍と同じ練習場を使うことがある。「名前も知らんような若い投手で球の速いのがゴロゴロいてるぞ」と驚きの報告をしてくるから、野手陣は戦々恐々やった。東尾修、渡辺久信、郭泰源、工藤公康、松沼兄弟らそうそうたるメンバーがいてるのに、まだこれから出てきそうなヤツがいるのかと。今のオリックスも同じような感じになってきた。
中嶋監督が山下を開幕戦にあえて登板させたのは、リーグ3連覇、2年連続日本一を狙うためのカンフル剤でもあったと思う。慢心しないように野手陣も春から引き締めている。昨季まで正遊撃手やった紅林は開幕2軍、センターでゴールデングラブ賞を獲得した福田もファームに落とした。開幕戦で育成4位ルーキーの茶野を「8番・右翼」でスタメン起用したのは、チームにとって相当な刺激になったはず。杉本や宗クラスもちょっと打てなければ外されるという危機感があると思う。それどころか、猛打賞の次の日にスタメンから外されることもあるからビックリする。選手のファンからしたら「何で出てないの?」と球場に行ってガッカリすることもあるんちゃうかな。仰木さんもそうやったけど、中嶋も「ナカジマジック」と言われるほど動くのが好きな監督やから。
僕からしたら、もっとドッシリ構えてもいいと思うけど、それだけ優勝争いのライバル、ソフトバンクが強いということ。新加入の近藤が機能した打線で、馬なりの感じで開幕4連勝を飾った。評論家の順位予想も、この2チームで優勝が割れていた。山下は佐々木朗希の出始めのように、しばらくは中10日ほどのゆったりしたローテで回ると思う。勝負の秋になって、ソフトバンク相手にどういう投球をするか、今から楽しみや。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。
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