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「三浦雄一郎の車いす富士登山」を美談にすると遭難死が増える「これだけの根拠」

 90歳にして、8月31日に富士山への車いす登山を成功させた冒険家の三浦雄一郎氏。三浦氏は私にとって子供の頃からの憧れの存在であり、スーパースターだ。だけど言う。

「車いす富士登山は冒険ではあるが、美談じゃない」

 新型コロナの行動自粛が明けた今年の富士登山は、異常事態に陥っている。登山者数が激増している上に、およそ富士登山など無謀な幼児と老人、外国人の救助要請が相次いでいるからだ。

 7月の3連休は静岡県のルートだけでも15日、16日の2日間で、救助要請が6件。いずれも外国人、中高年だった。中には「疲れたから救助要請」したブラジル人もいた。連休最終日の17日も、新7合目付近で5歳の幼児が胸の痛みと嘔吐を訴えたほか、60代男性が転倒して心肺停止状態になったなどとして、救助要請が相次いだ。

 8月1日には単独登山していた80代が身動きが取れなくなり、救助要請。8月23日は、別の負傷者の救助活動後に下山中の警察官の前で、77歳の老人が転倒。救助活動を終えたばかりで疲弊している警察官が、77歳の無謀老人をおぶって下山したという。ともすれば警察や消防、山岳救助隊が二次被害に遭いかねない。

 すでに今年の富士山の遭難件数は、過去最多だった前年比の2割増、過去最悪になる見通しだ。

 自分の体力を過信する無謀な老人が山岳救助隊や警察、消防に迷惑をかけて続けているところに、被せるように報じられた、三浦氏の車いす登山。もちろん車いすを担いで登った山のスペシャリスト、仲間が無事に下山できたことはよかったが、美談扱いにされるとますます80代、90代が富士山を目指し、ケガ人や死人が増えることだろう。

 雄一郎氏の父、敬三氏は99歳の時に、雄一郎氏(当時71歳)から1歳のひ孫まで、総勢170人で白峰モンブランの滑降に挑戦した。関係者に聞いたところ、当時の敬三氏は3度の骨折はしたが、歩行はもちろん、自力でスキー滑走もできる「超人」だった。

 そんな99歳のレベルに見合ったコースを綿密に調べ、救援チームが帯同。綿密な計画を練っているから「冒険」であって、行き当たりばったりで体調不良時は救助隊頼み、という老人が富士山に登ろうとするのは「ただの甘え」だ。

 しかも残念なことに、危険を冒して救助に向かう救援隊に、損害賠償請求の訴えを起こす山岳遭難者まで出てきた。多額の救援費用を払えず、逆ギレして「障害が残った」と難癖をつける訴訟は、これから増えていくだろう。

 三浦氏が車いす富士登頂に成功した同日、登山家の野口健氏は産経新聞紙上で「山梨県知事、静岡県知事が富士山の入山規制に乗り出す」ことに言及した。

 山岳救助が当たり前になっているから、無謀な富士登山がなくならないし、遭難者が訴訟を起こす。

 いっそ「富士山に診療所を置かず」「今後いっさいの救援を出さず」でいい。遺体の回収費用と世界遺産を汚した罰金を遺族に請求すれば、無謀な富士登頂はなくなるだろう。

(那須優子)

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