芸能

片岡鶴太郎「たけしさんたちと比べて非力だった」/テリー伊藤対談(3)

テリー 鶴ちゃんって、昔からすごいピュアだったよね。

鶴太郎 そうですかね。

テリー うん。鶴ちゃん、日記書いてたでしょう?

鶴太郎 ああ、はい。僕がほんとに若手の頃、テリーさんの番組に出させていただいて、みんなで飲んでた時に、「毎日、日記をつけてます」って言ったら、テリーさんがものすごく心に留めてくださって、「ああ、そう、几帳面なんだね」っていう感想を言っていただきましたもんね。実は今も書いてますよ。

テリー ええっ、あれからずっと?

鶴太郎 はい。

テリー それは偉いなぁ。あの時、鶴ちゃん、「下着ホンジャマー」とかやってたでしょう。

鶴太郎 はい、やってましたね(笑)。ツービートが司会の「テレビに出たいやつみんな来い!!」(日本テレビ系)っていう、一般の方も出られる番組で。僕は芸人でしたけど、あえて本名の荻野繁雄で出ていて。

テリー 僕も当時はまだバリバリの若手で、あの番組の演出をやってたんですよ。

鶴太郎 そうでしたか。ということは、まだプロデューサーではなくて、ディレクター?テリー そうそう。あの時ですよね。加藤っていう天才放送作家がいたんですよ。頭のおかしい。その人と鶴ちゃんが組んで、下着ホンジャマーをやってた。

鶴太郎 要するに女性の下着をかぶるのが男性の希望じゃないですか。でも、部屋で1人でかぶってると陰湿だから、テレビの前で堂々とかぶるにはどうしたらいいだろうと。それで、「早野凡平さんが帽子をいろんなものに変えるホンジャマーを下着でやったらどうだ」っていう話になったんですよ。まずブラジャーをバッとかぶると、オッパイのところが目に来るわけですね。それでパンツを重ねると仮面ライダーになるとか、そんなことを考えて。

テリー バカだよね。

鶴太郎 それで新宿で飲んでて、そのパンティーを買いに「三平ストア」へ作家のみんなとかと行くわけですよ。やっぱり男が女性の下着を買うのは恥ずかしいから、酔った勢いで3、4人でバーっと。「仮面ライダーの目は赤いから赤のブラジャーがいいか」とか色々言いながら。それでみんなでああでもないこうでもないって、かぶりながら作ったんですよね。

テリー 楽しかったよね。

鶴太郎 楽しかったですね。ほんとにあの頃の僕はお笑いしかなくて、お笑いで頭角を現すことしか考えてなかったですから。

テリー それがボクシングを始めたり、お笑いから違う方向へ行ったのは何だったの?

鶴太郎 これはですね、やっぱりその後で「(オレたち)ひょうきん族」(フジテレビ系)へ行くわけですよね。それで私は元々モノマネですから、マッチ(近藤真彦)や小森のおばちゃま(小森和子)、浦辺粂子さんをやったり、モノマネでギャグを表現してたんですよ。それはつまり、自分のキャラで引っ張っていくというよりも何かに扮する、何か憑依してギャグをやるということだったんです。その一方で、(ビート)たけしさん、(明石家)さんまさん、(島田)紳助さん、クニちゃん(山田邦子)とか、自分のキャラで引っ張っていける天才たちと対峙するわけじゃないですか。

テリー ああ。

鶴太郎 その人たちと比べると、非力だなという思いがあったんですね。

テリー そうなんだ。

鶴太郎 ええ。ただ、何かに憑依するって、すごく役者的な作業なんですね。私は高校演劇もやっていて、演劇の資質みたいなものも自分の中で感じてましたから。それで、これは役者作業の方にちょっと行きたいと思うようになったんですね。

ゲスト:片岡鶴太郎(かたおか・つるたろう)1954年、東京都生まれ。高校卒業後に声帯模写の片岡鶴八師匠に弟子入り。以降、バラエティー番組を中心に活躍。30代でプロボクシングのライセンスを取得し、本格的に役者に転身。映画「異人たちとの夏」、ドラマ「男女7人夏物語」(TBS系)など多くの映画やドラマに出演し、「日本アカデミー賞最優秀助演男優賞」などを受賞。また、絵画や書など芸術家の一面も持つ。最新著書「老いては『好き』にしたがえ!」(幻冬舎新書)発売中。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「花咲舞が黙ってない」第3シリーズ「主演候補」は今田美桜のほかにもうひとりいた
2
やす子に異変!最大のストレス発散法「貯金額を見る」で大いに問題になること
3
【悲願構想】巨人「築地ドーム球場建設」2034年に本拠地移転でついに「松井秀喜監督」を誕生させる
4
テレビ朝日・斎藤ちはるアナ「ラグビー姫野和樹とお泊まり交際」に局内大歓迎の理由
5
佐々木朗希・佐藤輝明・堂林翔太の「欠陥プロ野球カード」に「マニア大量購入⇒高額転売」のウハウハ