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記事全文を読む→片岡鶴太郎「自分と対峙してる時間が長いから1人がいい」/テリー伊藤対談(4)
テリー 今、独身でしょう?
鶴太郎 そうですね。
テリー 寂しくないの? 急に倒れちゃったらどうしようとかさ。
鶴太郎 これがまったくないんですよね。自分と対峙してる時間が長いですから。特にヨガの時間は、自分と対峙しながら上との交信みたいなものがあったりして、その対話が尊い時間で、1人じゃないとできない作業なんですよ。そこに他の人が介在することは、ちょっと私の中ではノーなんですね。絵を描くのも、まったく1人で、誰かがいると嫌なんですよ。
テリー 離婚されて何年でしたっけ?
鶴太郎 62の時ですから、もう6年ですかね。
テリー その間、ガールフレンドとかは?
鶴太郎 もうずっといないんですよ。
テリー あ、それはダメだな。じゃあ、仮にこれから新しい彼女を作るとしてさ、どんな女性がいい?
鶴太郎 これがまったくわからないんですよね。今はだから、付き合ってみたいなっていう女性と出会ってないんですよ。
テリー でも、理想というかさ。スケベがいいとか怠惰な女性がいいとか。
鶴太郎 うーん、そういうことで言うなら、料理が好きな女性ですかね。僕も料理が好きですから、料理の話はしたいですね。
テリー 金遣いが荒いとかは? 鶴ちゃんがヨガをやってる間に、鶴ちゃんが描いた絵を勝手に売り飛ばしちゃうの。
鶴太郎 アハハハハハ。それはダメですよ(笑)。
テリー そうかな。だって、描いた絵はどうしてるの? 売っちゃう?
鶴太郎 いや、基本的には売ってないです。展覧会で特別に頼まれたり、どうしても欲しいっていう方には売ることもありますけど。
テリー じゃあ、増えていく一方じゃない。それ、どこに保管してるの?
鶴太郎 倉庫ですね。温度と湿度の管理が大変なんですよ。だから維持費がかかるんです。
テリー そうだよね。じゃあ、絵を勝手に売っちゃう彼女、いいじゃない。
鶴太郎 何でですか?
テリー なんかさ、自分が思いつかないようなことをしてくれる子っていいと思うんだよね。すごく性格がよくて、しっかりしてて、ちゃんと鶴ちゃんを支えてくれる子なんて言ったら、長生きしないよ。
鶴太郎 なるほど、そっちの方が面白いんだ。ある種の刺激もあるし。ほんとに好きになった女性だったら、私も「あ、売っちゃったのか。なるほど、そういう手もあるね」って納得するかもわかんないですよね。
テリー そうだよ。「苦役列車」の作家の西村賢太さんっていたでしょう。
鶴太郎 はい。
テリー あの人って、ほんとに格好よくて、「いやぁ、デキの悪い女がうちに転がりこんできて。それが面白くてね」って言ってたんですよ。要は自分の価値観とまったく相容れない異物が飛び込んできても、それを受け止めて面白がれる人だったんです。だから俺、「すげえ、この人、本物だ」と思って。
鶴太郎 ああ、それはすごいな。
テリー だから探しましょうよ、そういう女性を。そうしたら、その話をネタに本2冊ぐらい書ける。
鶴太郎 ああ、それも面白いな。じゃあ、勝手に絵を売っちゃう女性と出会うことを、ちょっとこれからの目標に(笑)。今日来て、いちばん甲斐のある話ができました。
テリー 俺ね、いまだにそんなことしか考えてないんですよ。
鶴太郎 いいですね。いいと思います。いやぁ、テリーさん全然変わってないな。面白いわ、やっぱり。
◆テリーからひと言
1人でいるのもいいけど、他人に振り回される時間も大事だと思うな。ヨガの間に絵を売っちゃう彼女、ぜひ見つけてよ。
ゲスト:片岡鶴太郎(かたおか・つるたろう)1954年、東京都生まれ。高校卒業後に声帯模写の片岡鶴八師匠に弟子入り。以降、バラエティー番組を中心に活躍。30代でプロボクシングのライセンスを取得し、本格的に役者に転身。映画「異人たちとの夏」、ドラマ「男女7人夏物語」(TBS系)など多くの映画やドラマに出演し、「日本アカデミー賞最優秀助演男優賞」などを受賞。また、絵画や書など芸術家の一面も持つ。最新著書「老いては『好き』にしたがえ!」(幻冬舎新書)発売中。
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