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Posted on 2023年12月17日 05:59

ドジャース大谷翔平がオプトアウト条項を盛り込んだのは「高校3年生で大失恋を経験したから」という深イイ話

2023年12月17日 05:59

 大谷翔平は高校3年生の秋に「大失恋」を経験している。傷心の相手はあとで説明するとして、米メディア「ジ・アスレチック」とAP通信は入団会見を前に、大谷がドジャースと交わした破格の10年7億ドル契約には「条件付きのオプトアウト(契約破棄)権が盛り込まれている」と報じた。AP通信によれば「マーク・ウォルター・オーナーとアンドリュー・フリードマン編成本部長のどちらかが退団した場合にオプトアウト権を得る」という。

 師弟関係にある監督の退任とともにチームを去るというならまだ理解はできるが、なぜ大谷はオーナーと編成部長との一蓮托生を決めたのか。その理由を探るには、大谷18歳の秋にまでさかのぼる。

 花巻東高校に在籍し、ドジャースやテキサス・レンジャーズ、ボストン・レッドソックスとの面談を終えた2012年10月21日、大谷は会見で、

「日本のプロよりもメジャーリーグへの憧れが強く、マイナーからのスタートを覚悟の上で、メジャーリーグに挑戦したい」

 と語った。当時を知るベテラン野球担当記者が振り返る。

「最も大谷獲りに熱心だったのが、東日本大震災の爪痕が残る中で頻繁に岩手を訪問していた、ドジャースでした。当時、日本ハムの栗山英樹監督が大谷に『二刀流』と『メジャーまでの育成プラン』を提案するまで、大谷とドジャースは相思相愛。ドジャース入りが確実視されていました」

 ところが、である。大谷は「女心のように揺れるドジャースの球団経営方針」に振り回されることになる。

 ドジャースは1990年代までオマリー一族のもと、イタリア系移民のトミー・ラソーダ監督によるイタリアの大家族のようなチーム運営をしていたが、1996年シーズン途中でラソーダ監督は退任。1997年にピーター・オマリー会長は球団をアメリカのテレビ局、フォックスグループに売却した。その翌年、野茂英雄もドジャースを去っている。

 その後、球団はフォックスグループから不動産王フランク・マッコート氏の手に渡るが、マッコート氏のパワハラ、モラハラの放漫経営で、2011年春に経営が悪化。バド・セリグMLBコミッショナーが、ドジャースの破産を懸念して、球団をMLB機構の監視下に置く緊急事態に陥った。

 翌2012年3月、球団は20億ドルで投資グループ「グッゲンハイム・ベースボール・マネジメント」に売却され、2013年にはタイム・ワーナー・ケーブル(TWC)社と25年間で総額70億ドルから80億ドルの放映権契約を結んで、ようやく危機から脱する。同投資グループにはNBAのレジェンド、マジック・ジョンソンも名を連ねるが、球団経営が安定したのは12月15日の入団会見の冒頭に大谷が名前を挙げてお礼を言った同グループの一員、マーク・ウォルター氏が実質オーナーになってからだ。大谷は会見で、「心に残っているのは(オーナーと編成部長が)『この10年間、ドジャースが経験してきたことは成功だと思っていない』とおっしゃられていたので、みなそれだけ勝ちたいという気持ちが強いんだなと思います」

 と言うにとどめたが、オーナーが変われば球団理念がコロッと変わる脆さを、18歳の秋に学習している。大谷と理想を共有する2人が球団経営から退けば、1990年代後半から2010年代のドジャースの悪夢が蘇るかもしれない。その時には潔く7億ドルの大半の支払いを残したまま契約廃棄して、自分を必要とする球団に移籍するのだろう。

(那須優子)

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