芸能

エスパー伊東の「高能力」でも見破れなかった「皇族詐欺」結婚パーティー/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 今年1月16日にてんかん重積により63歳という若さで亡くなった、お笑いタレントのエスパー伊東さんの葬儀・告別式が2月3日に、都内の斎場でしめやかに行われた。葬儀には、かつてエスパーさんが出演していたバラエティー番組「めちゃ×2イケてるッ!」のメンバーやスタッフらも駆けつけ、多くの人々に見送られる中、旅立った。

 生前は芸能界以外での交友関係も広かったとされるエスパーさんだが、彼が結婚式などの余興で全国を飛び回っていた頃に巻き込まれたのが、有栖川宮詐欺事件だった。

 それは2003年4月6日のこと。東京・赤坂のカナダ大使館地下で開催されたパーティー会場にはエスパーさんのほか、石田純一やダイアモンド☆ユカイ、デーブ・スペクター夫人など、有名人がズラリ参列。この会場で行われたのが、「私は旧皇室の隠し子で宮家の後継者、有栖川宮識仁」と名乗る男と、自称「元モデル」「元ミス日本」「元テレビアナウンサー」といった経歴を持つ女の結婚披露宴だったのである。

 ところが半年後の10月、この2人は共犯の男とともに、出席した約400人からご祝儀1300万円を騙し取ったとする詐欺容疑で逮捕され、大騒ぎに。渦中のエスパーさんが囲み取材で一部始終を語ったのだが、その内容がいかにも詐欺っぽく、かつエスパーさんの生真面目さが出ていて、とても印象深いものだった。

 エスパーさんが知人のマジシャンの紹介で女と知り合ったのは、前年8月だ。後日、名刺交換した女から連絡があり「披露宴で芸をやってほしい」と依頼を受けた。

「でも、高松宮様の急逝があって流れたんだろうな、と思っていたんです」

 エスパーさんはそう振り返った。

 予定通りパーティーは開かれたものの、芸の披露は中止に。

「2人が軍服とドレス姿をお披露目しただけで、いっさい招待客と交わろうとしない」

 しかも、一緒に写真を撮るには料金1万円が別途必要だと言われたという。

「実は両親に嘘をついてしまった。結婚披露宴の後、故郷の両親を喜ばせようと思って『皇室の婚礼に参加した』と伝えてしまったんです」

 正直なエスパーさんは、両親を騙してしまったのではないかと反省することしきりだったが、その後の取調べで逮捕されたこの女、ミス日本などではなく、「準ミス熊本」で、アナウンサーという肩書も「地元放送局で2次面接に残った」。

 その後、2度の結婚と離婚を繰り返して上京。神楽坂の神社で巫女をしていた時に、ニセ皇族を名乗る男と出会ったのだという。

 裁判で検察側は「皇族への畏敬を利用した大胆不敵な犯行。公判でも、被告人は『殿下』と呼び続けるなど、いっさい反省していないのは明らか」として、2人に懲役3年を求刑した。

 結局、2007年9月に、2人には懲役2年2カ月の実刑判決が下されている。「超能力」ではおこがましいと、「高能力」芸人を名乗っていたエスパーさんをしても見抜けない詐欺事件だったのである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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