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【追悼秘話】「相撲界より愛を選んだ男」元横綱・曙太郎が死の直前に妻に残した「ロマンチストな言葉」

 54歳の若さでこの世を去った大相撲の第64代横綱・曙太郎さんは、角界より愛を選んだ人間だった。

 37分間の心停止の後遺症で重度の記憶障害に見舞われ、2017年から闘病生活を送っていたが、このほど都内の病院で亡くなったという。

 2001年の初場所を全休後、電撃引退。その後、年寄名跡は取得していなかったが、5年間は日本相撲協会に残り、現役のしこ名のまま年寄を名乗れる横綱特権で、東関部屋の部屋好き親方として後進の指導にあたる時期があった。

 当時の東関親方(元関脇・高見山)が、同じ故郷であるハワイからスカウト。外国出身初の横綱となった曙さんを、部屋の後継者と考えていた。長年、大相撲の取材に携わるベテラン記者が明かす。

「ジェシー(高見山)は曙を自分の娘と結婚させ、部屋を継がせる気になっていた。ところが曙は、首を縦に振らない。師匠の娘と結婚して部屋を継承するのは、決して珍しくないわけですが」

 それどころか、タレント・相原勇との交際を開始し、1996年にはマスコミを前に堂々と交際宣言。婚約者として関係者に紹介し、結婚は秒読みと思われた。それが翌年、曙さんが一方的に婚約を破棄したしたため、

「結局はジェシーの娘と結婚して、部屋を継承するのでは」(前出・ベテラン相撲記者)

 というムードになっていた。

 そんな予想も外れ、結果的には横田基地に勤務するアメリカ人の父と、日本人の母を持つクリスティーナ麗子カリーナさんと、1997年に結婚。墨田区にある東関部屋近くから横田基地そばに住居を移し、東関親方とも距離を置くようになってしまった。

 その後、日本相撲協会に退職届を提出し、立ち技格闘技のK-1に参戦、プロレスラーへの道を歩むようになった。K-1ファイターとしての、高額なギャラは魅力的だっただろう。スポーツ紙相撲担当デスクが言う。

「自分が部屋持ちの親方となれば、しきたりの厳しい角界で、夫人がおかみさんとしてやっていけるのか、という心配があっただろう」

 曙さんは死の直前、夫人に「アイ・ラブ・ユー」の言葉を残したという。200キロを超す大きな体には似つかわしくない、ロマンチストだった。

(阿部勝彦)

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