芸能

テレビ界「未曾有の放送事故」〈大暴れ〉「味の素」なしで大激怒したやしきたかじん

 怒りの感情が発動されるや、時に番組収録中とはいえ制御不能となる。ぶつけられる当事者は恐怖を覚えても、時に第三者にとっては噴き出してしまうものだ。

 やしきたかじんは92年に東京本格進出。テレビ朝日系の帯番組「M10」で、金曜日の司会に抜擢された。

 スタッフと行き違いがあったのは料理コーナー。打ち合わせ段階で予定されていた「味の素」が、本番で用意されていなかったのだ。たかじんは豹変。「味の素どこや~!」と怒鳴るや、セットを破壊してスタジオを飛び出してしまった。

「大阪の人気者も東京では勝手が違った。怒鳴りつけるようなキャラが理解されていなかったのは、スタッフとコミュニケーションがとれておらず、そんな中で『味の素事件』が決定打になったのだと思います。その後、上岡龍太郎の番組にたかじんが呼ばれた際には、味の素がスタジオいっぱいに敷き詰められていた。上岡が『これだったら、お前、怒らんやろ』と言ったのは白眉でした」(上杉氏)

 ちなみに料理コーナーは、残されたゲストの大竹まこと(74)と中山秀征が続きを引き継ぐしかなかったのだが、その大竹も88年3月3日放送の「タモリのいたずら大全集」(日テレ系)で、大立ち回りを演じたのである。

 大竹が山瀬まみ(54)に「お前、失恋したんだってな~」と振ると、動揺した山瀬が「いや~」と絶叫して大竹の頭を叩いた。さらには木の板で尻を叩いたり、ローキックを繰り出したりしたが、大竹が反撃。山瀬を押し倒して、衣装のジーパンを脱がせようとする。泣き出した山瀬だが、大竹のマイクが壊れていることに気づき、「マイク壊してんじゃね~よ、バカ」と悪態。これに反応した大竹が「壊すとはこういうことを言うんだよ!」とセットを破壊した。2人は共演NGとなり、大竹は20年以上、日テレを出禁となるハメに。

「この時代の大竹さんは社会を攪乱するパンクな存在でした。芸能人のプライベートに関して必ず暴露していた。93~94年頃には『たかじんnoばぁ~』(よみうりテレビ系)で島崎和歌子(51)に対していきなり『お前、SMAP全員にヤッてくれって言って、誰にも相手にされなかったらしいな』と。彼女も否定せずに『ちょっと待ってよ~』と返して、共演NGにはなっていません。当時のテレビには本当のケンカもあった。放送事故も〝番組の華〟とされていた時代だと思います」(掟氏)

 本当のケンカだったのか真偽は定かでないが、84年頃の「おはよう!ナイスデイ」(フジ系)では、見るのも憚られるバトルが頻繁に放送された。

 登場するのは「金を返せないのであれば臓器を売って返せ!」の論理で世間を震撼させた闇金の帝王・杉山治夫会長と正義の論理で詰め寄るミッキー安川の2人。指輪や時計を「これ、〇千万円」「こっちは〇千万円」と自慢する会長に、ミッキーが「それみんな、人の命だね」とやると、激高した会長が撮影カメラめがけて札束を投げつけて「帰れ!」と叫びだすのだ。必ずと言っていいほど同じ展開になり、金を粗末にする映像の下品さが際立った。

「後に『浅草橋ヤング洋品店』(テレ東系)でリバイバル版をやった時には、まるでプロレスをしに来たようで、セリフもできあがっていた2人、本当は仲いいんだろうなと思った。

 ちなみに、かつて新宿で杉山会長をよく見かけました。毛皮を着た若い愛人を連れていて、アルタ裏にあった八百屋で買い物をしていた。欲望渦巻く新宿ってやっぱり、こういう人じゃないと住めないのかなと思ったものです」(掟氏)

 09年10月3日の生放送「オールスター感謝祭」(TBS系)も伝説となっている。

 番組放送前に挨拶がなかったことで島田紳助(68)が東京03に怒りを露わにし、サーカス団がスタジオの中央で実演を始めて暗転している最中、3人のもとに向かい「初めまして。紳助と申します」とやった。オール巨人が紳助を羽交い絞めにして、暴行は未遂で終わらせたが、以降、紳助がスタッフに命じて東京03の席の回答権ランプを消して、クイズに参加させないようにした。3人は静かにうつむいているしかなかった。

「挨拶がなかった出演者など他にもいなかったんですかね。東京03に対してだけ特別に悪感情を抱いたのがどうにも不思議でした」(掟氏)

 その紳助もすでにテレビ界にはいないが、封印された映像こそ記憶に残ってしまうのである。

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