社会

三橋貴明の「列島丸わかり」報告書 ー経済をマイナス成長に叩き込んだ主犯は「竹中平蔵」だー

20150129r

 前回、自民党の「悪魔の公約」ということで、「外国移民政策」について解説した。今回取り上げる「悪魔の公約」は、外国移民受け入れを上回るダメージを日本国に与える可能性がある。

 それは、基礎的財政収支(プライマリーバランス・以下PB)目標である。

 PBとは、国債の元利払いを除いた政府の歳入と歳出のバランスのことである。短期(単年度)でPBを改善しようとすると、政府は「増税」「政府支出削減」という緊縮財政に走らざるをえない。

 自民党の公約では、「財政再建」の項目に、以下のように書かれている。

「2020年(平成32年)度における、国・地方の基礎的財政収支の黒字化目標の達成に向けた具体的な計画を来年の夏までに策定します」

 第三次安倍政権は、早くもPB目標を決定している。14年度から15年度にかけ、PBを「各年度」4兆円程度改善。15年度には国・地方を合わせたPBの赤字を対GDP比で10年度の▲6.6%から▲3.3%に半減。そして、20年度には、国・地方のPBを黒字化するというものだ。

 そもそも、長期的な経済成長の「結果」であるPBを目標にする時点で奇妙な話だ。そのうえ、日本政府はPB目標を「単年度主義」で達成しようとする。これが最悪なのだ。

 政府が短期でPBの改善を図ると、デフレの我が国では間違いなく景気が失速する。14年4月の消費税増税も、もちろん「単年度のPB改善」を目的に実施され、実際に国民経済をマイナス成長に叩き込んだ。

 失速の結果、名目GDP(国民が稼ぐ所得の合計)が成長しなくなる。国民は税金を所得から支払うため、税収は名目GDPが原資となる。名目GDPが縮小すると、税収も減少し、歳入減でPBはかえって「悪化」することになる。

 逆に、政府が「名目GDPの成長」「デフレ脱却」のみを目標に据え、財政出動の拡大という正しいデフレ対策を実施すると、名目GDPが成長し、税収も勝手に増える。結果的に、歳入増によりPBは改善に向かうのである。

 政府の経済政策の方向を「真逆」に向けているPB目標だが、02年の小泉政権下、「ある人物」の判断で導入された。その人物こそ当時、経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵氏だ。

 それ以降、我が国は正しいデフレ対策を実施できなくなってしまい、デフレが長期化した。

 さらに、竹中氏が担当大臣だった時期に、デフレギャップ(需要不足)を計算する潜在GDPが「最大概念」から「平均概念」に変えられてしまった。結果、我が国は統計上のデフレギャップが小さく「見える」ようになり、デフレ対策が困難になってしまった。日本のデフレ長期化をもたらした「狂った羅針盤(奇妙な指標)」は、なぜかことごとく竹中氏が大臣だった時代に導入されたのである。

 なぜなのだろうか?

 そういえば、前回取り上げた「外国移民」が実際に日本で増えていき、さらに各種の労働規制の緩和が推進されれば、国内の労働者の競争が激化し、実質賃金が下がり貧困化する。一方、人材派遣会社は大いに儲けることになるだろう。

 竹中平蔵氏は、現在、人材派遣大手「パソナ・グループ」の取締役会長である。

◆プロフィール 三橋貴明(みつはし・たかあき) 日本IBMなどを経て08年に中小企業診断士として独立。ブログ「新世紀のビッグブラザーへ」は約100万件中、総合1位(14年5月現在)。単行本執筆、各種メディアへの出演、全国各地での講演などに活躍している。

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    【緊急座談会】中年世代にど真ん中の夏カジュアルはあるのか!?

    Sponsored
    182685

    40代ともなると違和感を感じ始めるのが、休日のカジュアルファッションだ。体型が変わったり、若い頃に着ていた服が似合わなくなったり「何を着たらいいか分からなくなる」のがこの世代の特徴。昔ほどお金をかけるわけにもいかず、とりあえず安価なユニクロ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , |

    クラファン発!最先端サプリ「スパルトT5」の実力と評判とは?

    Sponsored
    182842

    コロナ禍は、生活様式も働き方も大きく変えた。「仕事帰りにちょっと一杯」も難しくなった今、ビジネスの最前線で活躍する現役世代を蝕む過大なストレスが問題となっている。そんな精神的負担も原因なのか、これまで高齢男性に多かった“夜の悩み”を訴える3…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , |

    出会いのカタチもニューノーマルに!「本気で結婚したい」男がやるべきこと

    Sponsored
    168750

    「結婚はしたいけど、もう少し先でいいかな……」「自然な出会いを待っている……」と思いながらも、「実は独りが寂しい……」と感じてはいないだろうか。当然だ。だって男は弱いし、寂しがりだから。先の“言い訳”じみた考えも、寂しさの裏返しのようなもの…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
杉浦友紀よりデカい!?あのNHK美女アナが魅せる「あさイチ」バストのド迫力!
2
本田翼のバストが透けてる?“新CM動画を一時停止”するファンが続出したワケ
3
新垣結衣、ビール新CMで気になり過ぎる!?ニットも歪むバストの“張り具合”
4
菜々緒&仲里依紗、地上波カットされた「スカートの中モロ見え映像」の視聴方法
5
YOSHIKI“芸能界ケンカ最強”でも「大ビビリ」した意外なモノとは