社会
Posted on 2024年07月25日 09:58

マジで!? 千葉・小湊鐵道「最終電車が14:40発」に早まった「深刻すぎる理由」

2024年07月25日 09:58

 千葉県の小湊鐵道が7月22日から一部列車の減便を行った。平日の上りと下り、それぞれ1本の運行を取りやめ、2本の運行区間を短縮する。期間は9月30日までとしているが、状況によって延長する可能性があるという。

 小湊鐵道は6月29日から観光急行の減便を実施しているため、これが2度目の減便となる。より深刻なのは今回の普通列車の減便だと、鉄道ライターは指摘する。

「観光急行を利用するのは観光客なので、減便してもそれほど影響はありませんが、地元住民の足になっている普通列車が減るのは問題です。終着駅の上総中野駅に向かう列車は、五井駅を18時52分に発車して20時13分に着くのが最終でしたが、今は五井駅14時40分発で16時11分に上総中野駅着と、大幅に前倒し。上り列車も上総中野駅の最終は、20時36分発から16時23分発と、4時間も早くなりました。上総中野駅と上総牛久駅の間は利用者が少ないとはいえ、困る人は出てくるでしょう」

 小湊鐵道の発表によると、減便の理由は「人員不足」。これは小湊鐵道だけの問題ではなく、日本中の地方ローカル線を悩ませている。福井県の福井鉄道は昨年10月のダイヤ改正で運行本数を2割減らし、昼間の急行列車の運行も取りやめた。

 バス・トラック業界は、ドライバーの労働時間短縮による「2024年問題」で人員不足に悩んでいるが、それとは無関係の鉄道会社で人手が足りなくなっているのはなぜなのか。前出の鉄道ライターは、深刻な現場の状況を明かす。

「地方の鉄道会社は過疎や子供の減少によって利用客が減り、経営が苦しい状態が続いています。そのため賃金が上がらず、鉄道会社で働こうという人が少ないんです。この状態は当分解消されないので、今後も減便するローカル線は出てくるでしょう」

 コロナ禍が明けて、日本の観光地は外国人で賑わっている。鉄道会社も外国人を呼び込みたいが、人員不足でそれもままならない状況なのだ。鉄道を守るために、国は支援策を打ち出すべきではないか。

(海野久泰)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク