事件

〈東京発〉霞が関の傍聴席に現れた「盗撮男」の正体/“知らないとアブない”ギョーテン事件の現場

 全国で相次ぐ強盗事件。テレビや新聞は強盗団メンバーの逮捕を伝えているが、実際どのような経緯で犯行に及んだのか。東京・霞が関の東京地裁で取材を続けると、「盗撮男」の存在が浮上した。

「連続強盗が話題になる前から東京地裁では強盗関連の裁判が目白押し。強盗殺人や強盗致傷事件は裁判員裁判。朝から夕方までほぼぶっ通しで行われるので、見応えがあるんです」

 まさに裁判ウオッチャーが話したとおりだった。

 10月某日、東京地裁に足を運び、開廷表を閲覧すると、強盗事件の公判がいくつも予定されていた。

 そのひとつが、昨年11月に東京都内で発生した強盗致傷事件だ。貴金属店にフルフェイスのヘルメットをかぶった3人組の男が押し入り、ショーケースを壊して商品を強奪しようとしたところ、大柄の店員が「さすまた」で応戦。みごと撃退したことで大きな話題となったが、事件翌日の夕方、警察に出頭した少年2人が逮捕・起訴された。

 法廷では犯人の一人、少年Aが衝立の向こうでこう証言した。

「指示役の命令は絶対だった。犯行当日、『いらない服を3枚着込んでこい』と言われた。現場に行くまで、犯行、そして帰りで3パターン。防犯カメラでアシがつきにくいよう、言われたとおりにやった」

 用意周到に強盗に臨むも、失敗に終わり、事件現場からはタクシーで逃亡。さらに電車で埼玉県へ向かったが、事件のニュースが大きく報じられていることを知り、自首を決意したという。

「やらなきゃよかった」

 少年Aは後悔を口にしていたが、彼には断れない理由があった。司法記者が明かす。

「この事件の指示役として起訴された犯人も10代で、この少年Bは、神奈川県の地元ではかなりのワルと知られていて、言うことを聞かない実行役がいると、仲間を大勢引き連れて実家に押しかけていたことが、別の被告人の証言で明らかになっています」

 一連の強盗事件では、多くの実行犯が指示役から「逃げたら殺す」「実家にいる家族を襲う」などと脅迫を受けていたと供述している。実行犯には厳罰が下されてしかるべきだが、彼らが凶行に及んだ背景には、報復への恐怖心があったのだろうか。

 元警視庁刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は言う。

「すでに闇バイトの勧誘を行った疑いで、暴力団の幹部が逮捕されていますが、強盗事件に別の広域暴力団が関与している可能性は高い。もちろん、準暴力団の半グレ組織も無関係ではないでしょう」

 闇のリクルーターに個人情報を握られたら最後、犯罪グループに脅され続け、警察に逮捕された後もその呪縛から逃れることはできない。前出・裁判ウオッチャーが明かす。

「強盗裁判の法廷では不審な傍聴人が目につきます。イカツイ雰囲気の男が、メモも取らずにじっと被告人をにらんで『余計なことはしゃべるな』と圧力をかけているようでした。別の法廷では、何と撮影禁止であるにもかかわらず、男が強盗事件の被告人や証人をスマホで記録していたんです。裁判官も他の傍聴人も気づいていない様子でした」

 傍聴席に現れた「盗撮男」の正体とは─。

「もしかしたら被告人がどんな証言をしているのか、首謀者や指示役に報告しているのかもしれない。そう考えると背筋がヒヤリとします」(前出・裁判ウオッチャー)

 凶悪な強盗事件の終息を願ってやまない。

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