エンタメ
Posted on 2024年11月18日 05:58

12.2「年間大賞発表」までにたしなみたい「新語・流行語大賞」を理解するための「局地トレンド」

2024年11月18日 05:58

 今年の「新語・流行語大賞」の年間大賞とトップ10の発表まで、あと2週間あまりとなった。ノミネートされた30の用語リストを見ながら「これが大賞だろう」「いや、こっちかな」などと酒場で論戦を張る御仁もあろうが、「やっぱりどれもピンとこない」と、現実社会とのギャップを訴える向きも一定数、あることだろう。なにしろ「本当にこれが世の中で流行ったのか」と「世相を反映」の基準に疑いの目を向けてしまうからだ。

 改めて30語を眺めてみると、「裏金問題」「ホワイト案件」「トクリュウ」「新NISA」「令和の米騒動」などは、新たな社会現象や世相を映しているとは思うが、「そんな言葉、知らない」というものも。もしかするとこれが、いわゆる世代間ギャップというやつなのか…。

 こうした違和感を解消するには、現代社会で加速する多様化、細分化、専門化の波を理解する必要があるのではないか、と思う。

 例えばかつて(昭和の時代など)、ヒット曲といえば、国民のほとんどに耳なじみのあるものが多かった。音楽番組で頻繁に流れ、有線放送で耳に入り、トップ10チャートは目に入り、NHK紅白歌合戦でも歌われた。アイドルや人気バンド、演歌歌手、シンガーソングライターのヒット曲であっても、それはまぎれもなく「世間一般で流行」という事象だったのだ。

 時代は流れて、そうした「趣味嗜好」は枝分かれしてそれぞれに「マニア化」し、特定の愛好者に支えられるものになっていった。だから「わかる人はわかる」し、「わからない人にはまるでわからない」のだろう。新語・流行語大賞のノミネートを見て「時代に合っていない」と思うのは、「本当に流行していなかった」からではなく、「わからなかった」「気付こうとしなかった」だけなのかも…と。

 エンタメ業界に身を置くクリエイター氏は、こう話す。

「かつては『ワイルドだろう?』『ダメよ~ダメダメ』なんていう芸人の言葉が、今よりもわりと老若男女が知るところとなっていたように思います。翻って今年のノミネートでは、例えば『Bling-Bang-Bang-Born』なんて、ひとつのグループの曲名そのもの。2021年には『うっせぇわ』も曲名ながら、大賞を受賞していますね。いずれも『お客さん』が限られるものゆえ、知らない人には流行したのかどうかが、まるでわからなかった…」

 つまりは「局地的なものも含めた流行」を理解しなければ、この新語・流行語大賞を楽しむことはできない、それが現代の「トレンド」なのだと…そんな気がするのだった。

(小津うゆ)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク