先般、SNSを通じて集めたメンバーによる匿名・流動型のスカウトグループが違法に売春を斡旋していたとして、男らが警視庁に逮捕された。
逮捕されたのは、風俗スカウトグループ「アクセス」の幹部ら2人。取り調べによると、2人は昨年7月、東京・立川市の性サービス店に20代の女性を紹介し、違法に働かせた疑いが持たれている。
こうした匿名・流動型のスカウトグループは「トクリュウ」と呼ばれ、繁華街を拠点に暗躍している。警察による取り締まりが強化される中、既存のスカウトグループが次々と解体されるケースが相次いでいるのだ。
その影響は性サービス業界にも及んでいる。特殊浴場などではスカウト経由での人材供給が停滞しており、一部の店舗ではスカウト組織との関係性を疑われ、摘発に至るケースが出ている。「このままでは日本各地の特殊浴場がなくなるのでは」との懸念がある中、あるスカウト関係者が実態を語った。
「警察は見せしめ的に店舗型を狙っています。なぜ店舗型なのかというと、デリバリーなどの出張型は不特定の場所で営業するため、違法行為を特定するのが難しいからです。全国の特殊浴場が消滅の危機に瀕していると言われますが、実際は名義変更が可能な店舗では、オーナーが変わることですぐに営業を再開できるんです。逮捕されるのは実際のオーナーではなく、身代わりの人物、ということも。結局のところ、いたちごっこにすぎないでしょうね」
警察の取り締まりが進む一方で、業界ではこうした抜け道を利用し、営業を継続する動きが根強い。はたしてトクリュウの構造にメスを入れることができるのか、今後の動向が重要になってくる。