スポーツ

日本プロレス史「“10大”伝説のガチンコ試合」(5)ガチンコ勝負は意外と女子プロレスに多い?

20141126logo

 一方、冒頭の世IV虎vs安川だけでなく、女子プロレスにも数々の凄惨マッチが存在する。一歩間違えば生命の危機に陥ったのは、バラエティで鬼嫁キャラを発揮する北斗晶だ。

 北斗が本名の宇野久子名義で戦っていた新人時代、瞬く間に出世街道を驀進したのはよかったが、そのことがプレッシャーとなり、全日本女子プロレスから集団脱走する。呼び戻された宇野に、制裁マッチとして組まれたのが87年4月27日、大阪府立体育会館での先輩とのタッグ戦である。

 宇野久子&堀田祐美子vs小倉由美&永堀一恵の試合。宇野は小倉から「雪崩式ツームストン・パイルドライバー」という受け身の効かない大技を食らい、首を骨折。一時は死ぬことを考えたほどの長い入院生活を送る。

「北斗は若手時代から生意気な面もあったし、出世街道に乗っていたことで、先輩から制裁の意味もあってやられちゃったね」(ターザン氏)

 もともとは同じ派閥だったブル中野vsアジャ・コングの遺恨決着も苛烈だった。90年11月14日、横浜文化体育館で「金網デスマッチ」にまで発展。2人が袂を分かったとたん、会社ぐるみで遺恨を増幅させたのが女子プロ流だ。

「当時の関係者に聞くと、アジャ側に『ブルがこんな悪口を言っていた』、ブルにも『アジャがこう言っていた』と話を膨らませる。金網デスマッチは、殺し合うつもりでやっていたそうです」(ユリオカ超特Q)

 そして最後は、女子プロレスに衝撃を与えた87年7月18日、神取忍vsジャッキー佐藤のシュートマッチである。意見が食い違っていた両者が決着をつけるために組まれた一戦だが、ナックル連打の神取にジャッキーはなすすべもなく、この日限りで引退に追い込まれる‥‥。

 神取自身に当時を振り返ってもらった。

「やりすぎた部分はあったけど、ただ、事前に会社にも相手にも『こういう試合になるかもしれない』とは伝えてあった。当時は『掟破り』と言われたけど、それでも骨折はさせていませんから」

 プロ野球の乱闘と同じく、選手の感情が爆発する「ガチンコ勝負」も“リングの華”ではなかろうか──。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
2
新2軍球団「オイシックス新潟」でくすぶる元広島・薮田和樹と元阪神・高山俊の「1軍復帰ロード」
3
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
4
上毛電鉄「800形」新型車両が全線営業開始!「700型」とは違う「ガッカリ&歓喜」ポイントがあった
5
年俸4億円を捨てた渡邊雄太「NBA撤退⇒日本Bリーグ」でグッズ収入「争奪戦」