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名越 力道山の宿敵はルー・テーズですが、木村政彦もそうでした。52年に蔵前国技館で行われた「昭和の巌流島の戦い」と呼ばれる名勝負を、今回ネットで見たのですが、リアルに殴り合っていて凄惨でした。
斎藤 プロレスの試合として闘うつもりだったものが、ある瞬間から空気が変わりました。
名越 木村による急所蹴りに激怒した力道山が、鉄拳で顔にパンチを入れたと言われています。
斎藤 そう言われれば、そう見えるし、力道山がそのチャンスをうかがっていたようにも見えます。20年後のインタビューで木村は「力道山は最初からあの流れを想定していたと思う」と語っています。ただ、木村はそれに対し卑怯だと言っていないし、あの試合について「次は俺が勝ち、その次は引き分けで、その先はじゃんけんで勝ち負けを決めながら全国を回ろうと話していた」とも語っている。そこに僕は2人の関係とプロレスのリアリティを感じました。
名越 2人の活躍の差を見ると、柔道より相撲のほうがプロレスとの親和性があるのは間違いないようです。ただ、力道山の得意技の空手チョップも相撲の張り手とは違いますね。
斎藤 空手チョップは、ウルトラマンのスペシウム光線みたいなもので、試合を決める伝家の宝刀。そこに至るまでの20分、30分はしっかりプロレスをしていますし、テクニックもサイコロジーもある。外国人と互角に勝負ができるのは、それがあるからです。
名越 ルー・テーズが認めたのもそのためですか。力道山に対して、多くの人が誤解していることは他にもありますか。
斎藤 暴力団と結んで興業の社会でビッグになったとか、アイデンティティを捏造して日本人になったなどの俗説でしょうか。
名越 力道山も晩年はかつての輝きを失い、デストロイヤーらに苦戦します。事業やビジネスに関心が移ったのでしょうか。
斎藤 享年39。肉体的な衰えはある程度は仕方ないです。しかも実年齢は41歳だった可能性もある。暴漢に刺されていなくても数年で引退を考えていたと思います。ただ、東京オリンピックまでは現役でいたかったかもしれませんね。
名越 我々の世代にとって力道山はヒーローで今でも興味の対象ですが、若い人がこの本をどう読むのか非常に興味があります。
斎藤 今の若いプロレスファンは、スマホからしか情報を入手していません。うぬぼれかもしれませんが、僕の書く本が資料として残ることを期待しています。
名越 残ると思いますよ。
斎藤 力道山は「日本のプロレスの父」。世代が違うなどと言わず、プロレスファンの義務教育として、力道山のことをもっと知ってほしいです。力道山を知れば、今のプロレスをより深く理解できるはずです。
名越 なるほど。今日はいろいろと人間臭い秘話が聞けて楽しかったです。
ゲスト:斎藤文彦(さいとう・ふみひこ)1962年東京都杉並区生まれ。プロレスライター、コラムニスト、専修大学文学部哲学科兼任講師、国士舘大学体育学部非常勤講師。早稲田大学大学院スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科修了、筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻博士後期課程満期。在米中の81年より「プロレス」誌の海外特派員を務め、「週刊プロレス」創刊時より同誌記者として活動。
聞き手:名越健郎(なごし・けんろう)拓殖大学特任教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社。モスクワ支局長、ワシントン支局長、外信部長などを経て退職。拓殖大学海外事情研究所教授を経て現職。ロシア政治ウオッチャーとして活躍する。著書に「独裁者プーチン」(文春新書)など。
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