社会
Posted on 2025年06月15日 09:55

ホントーク〈古館佑太郎×魚住りえ〉(3)日本から離れて自分を解放できた

2025年06月15日 09:55

魚住 古舘さんご自身が「自己肯定感が低い」と思われていることは、ちょっと意外でした。

古館 めちゃくちゃ低いですよ。誰かに褒められても、うれしくないですし。

魚住 インド北部にある「レー」という町のチベット仏教の寺院に行った時、初めて自分のことが愛おしくなったそうですね。

古館 自己肯定感が上がったというより、一生自分は変わらないから、せめて、自分ぐらいはそれを丸ごと愛そうかな、と思ったんです。日本から離れないと、そんなふうに思えなかったかもしれません。

魚住 どうしてですか?

古館 僕は小さい頃から、すごく人の目を気にしながら生きていて、自分が注目を集めることに不安感や怯えがありました。自分が何かしたら父の仕事に傷をつけてしまうと思ってきたこともあります。

魚住 日本を離れたことで、本当の自分と向き合えたんですね。

古館 はい。どうしても日本では、自分の心と向き合うことができませんでした。だから、日本人もいない、僕のことを知っている人もいない今回の旅で、距離的に日本から一番離れていたレーでようやく向き合えた。そうしたら、思っていた以上に自分はそんなに悪いヤツじゃないなって思えました(笑)。

魚住 今回の旅でオススメの場所を教えてください。

古館 インドのレーは月面のような、古いSF映画のような世界で、驚くと思います。魚住さんもたくさん旅をされていらっしゃいますよね。

魚住 それが‥‥若い頃、局アナの時、レポーターの仕事でベトナムやカンボジアに行っておなかを壊したり、豚小屋みたいなところに閉じ込められたこともあったんですね。それ以来、旅はあまり好きじゃなくなっちゃったんです(苦笑)。

古館 ええ! 僕の話が霞むような経験をされていらっしゃるんですね(笑)。

魚住 できれば、日帰り旅行がいいです(笑)。

古館 でも、インドの共同宿は50代、60代の日本人男性のバックパッカーが多くて、それを見た時、旅って年齢に関係なく踏み出せていいなと思いました。

魚住 私もこの本を読んで、バックパッカーは無理でも、何か新しいことを始めたいという気持ちになりました。第2弾もありますか?

古館 山口さんが「今度はアラスカに飛ばす」と言っています(笑)。ただ、今度は自分の意思で行きたいですね。

魚住 今後の活動について教えてください。

古館 この旅で感じたことは、いずれ音楽で形にしたいと思っています。俳優業でも、今までにない経験をさせてもらう機会が増えました。これまでは、音楽でも俳優でも「自分はこうあるべき」という思いが強くて、それがブレることに恐怖があったんですけど、今は自分さえブレなければ、何をしても楽しめるかな、と思っています。

ゲスト:古館佑太郎(ふるたち・ゆうたろう)1991年、東京都出身。08年、バンド「The SALOVERS」を結成しデビュー(15年に活動停止)。17年に新たなバンド「2」を結成(24年2月に解散)。俳優としては14年、映画「日々ロック」でデビュー。以降、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、NHK大河ドラマ「光る君へ」などに出演。主演映画に「いちごの唄」「アイムクレイジー」などがある。

聞き手:魚住りえ(うおずみ・りえ)大阪府生まれ、広島県育ち。慶応義塾大学文学部卒。1995年、日本テレビにアナウンサーとして入社。報道、バラエティー、情報番組などで幅広く活躍。04年に独立し、フリーアナウンサーとして芸能活動をスタート。30年にわたるアナウンスメント技術を生かした「魚住式スピーチメソッド」を確立し、現在はボイス・スピーチデザイナーとしても活躍中。

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