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記事全文を読む→濵口遥大「ソフトバンクから戦力外通告」で気になる…第一線投手たちを苦しめる「黄色靱帯骨化症」を専門医が徹底解説
黄色靱帯骨化症―。10月27日にソフトバンクから戦力外通告を受けた濵口遥大や、昨年のプレミア12日本代表に選出された楽天の鈴木翔天ら、日本球界の第一線で活躍してきた投手たちを苦しめている国指定難病である。大阪府にある「みかわ整形外科クリニック」の三河聡志理事長が解説する(以下「」のコメントは全て三河理事長)。
「背骨の中にある『黄色靱帯』という靱帯が、少しずつ骨のように硬くなってしまう病気です。本来は、背中側にあるやわらかく弾力のある靱帯で、背骨の動きをスムーズに保つ働きをしています。しかし、何かしらの原因でこの靱帯が骨のように硬くなると、脊髄や神経を圧迫してしまい、手足のしびれや歩行障害などの症状を引き起こしてしまうのです」
かなり厄介なのが発症のメカニズムが明らかになっていないことで、
「遺伝、加齢、糖尿病や肥満などの代謝異常があると骨化しやすくなるとも言われています。日本人を含むアジア人によく見られる病気で、特に中高年の男性が発症しています。とりわけプロ野球選手の場合は、『投球動作』という背中に強い負担がかかる姿勢を繰り返していることが影響していると言われています。黄色靱帯にかかる負担は一般の人とは比較になりません。ましてや、近年はウエイトトレーニングの発達で投球の出力が増していますからね。投手が負傷するリスクの高い靱帯は、トミー・ジョン手術で治療する肘だけではありません」
もちろん、その症状が現れるのは野球選手だけではない。
「足のしびれや脱力感、長く歩くと足が重くなったり、突っ張るような症状が出たりと歩行障害の症状に悩まされることになります。また、腰椎や頸椎を圧迫されてしまうと、腰痛や上肢のしびれが出ることも。重症化すると排尿や排便にも支障が現れるようになります」
治療方法は「保存療法」と「手術療法」の2つに大別される。
「保存療法は症状の強さや進行のスピードに合わせて行います。代表的なのが、神経の炎症や痛みを抑える薬(ビタミン剤や神経痛の薬)を用いるもの。背中を強く反らさせないなどの姿勢や動作を指導することも欠かせません。ストレッチや筋力維持のリハビリも必要になります。ただし、いずれも骨化そのものを元に戻すことはできません。あくまで、『進行を抑える』、『症状を軽くする』ことが目的となります。一方で手術療法は、手術で神経の圧迫を取り除きます。主な方法は、背中側から骨化した部分を削り、脊髄の通り道(脊柱管)を広げる『除圧術』になります。神経の圧迫を取り除くことで、歩行やしびれの改善に期待できますが、神経の損傷が長期間続いている場合、全ての症状が完全に治るわけではありません」
近年同じ病気を発症した選手では、ロッテの岩下大輝や阪神の湯浅京己が1軍復帰登板を果たしているが、今季1軍登板機会のなかった岩下はオフに戦力外通告されている。
「術後の経過は人それぞれで、再び骨化が進んでしまうケースもあります。アスリートのみならず、日常生活の中で『足がしびれる』、『歩きづらい』という症状を感じたら、早めに整形外科に相談するようにしてください」
早期に発見して治療にかかることが肝要なのだ。
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