スポーツ
Posted on 2025年04月28日 17:58

格上相手の戦術「浦和レッズは本当に強いのか」6月クラブ・ワールドカップ後にわかる

2025年04月28日 17:58

 4連勝で3位に浮上した浦和レッズ。その強さは本物か。

 浦和は昨夏、2023年にACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)優勝に導いたマチェイ・スコルジャ氏を監督に復帰させた。さらに今季はMFマテウス・サヴィオ(柏レイソル)、DFダニーロ・ボザ(ECジュベントゥージ)、MF金子拓郎(コルトレイク)らの大型補強に成功した。

 その理由は、今季の最初の目標である、6月開催のクラブ・ワールドカップに出場するからだ。現に開幕戦は昨季に比べて先発が5人も入れ替わっており、完全に新しいチームとしてスタートしている。クラブ・ワールドカップまでのチーム作りが始まったのだ。

 5人も入れ替われば、チームを作るのに時間がかかる。開幕から4試合、勝利なし。それもある程度は想定内だったのかもしれない。それがここにきて4連勝したのは、新戦力がチームにフィットしてきたこと、さらにチームの方向性が決まってきたことにある。

 ダニーロ・ボザは、センターバックを組むマリウス・ホイブラーテンとのコンビネーションがよくなり、安定感を増してきた。守備のみならずヘディングが強く、セットプレーからの得点が期待できる。マテウス・サヴィオは柏時代に見せてきた、相手に脅威を与える攻撃的なパフォーマンスで、攻撃の中心になってきた。金子も4月25日のサンフレッチェ広島戦で、移籍後初ゴール決めている。

 新戦力だけではない。ボランチのサミュエル・グスタフソンのプレーに変化が出てきたのも大きい。マティアス・ヘグモ前監督が連れてきた選手で、パスセンスはあるが運動量はないし、動かない。昔タイプのボランチで、ハードワークと守備力を求めるスコルジャ監督の戦術には合わない。だから、先発を外れることが多かった。

 それが4月9日に、スコルジャ監督と30分以上にわたって議論する姿が目撃された。これ以降、先発に復帰すると、守備を積極的にこなすだけでなく、パスを出してからも動き出し、チャンスとみれば前線まで攻め上がるようになった。

 チームがいい方向へと、歯車が回り出した。ただ、今の浦和のサッカーは、しっかり守ってカウンターという、あくまで格上相手に戦うクラブ・ワールドカップ用の戦術である。スコルジャ監督は2023年に就任わずか4カ月で堅守速攻のチームを作り、格上とみられていたアル・ヒラルを破って優勝した。あの時の再現というか、クラブ・ワールドカップでもインパクトのある結果を残したい、という思いがあるのだろう。

 ただ、ACLとクラブ・ワールドカップではレベルが違う。そう簡単に結果が出るとは思えない。

 浦和は本当に強くなるかどうか、それはクラブ・ワールドカップが終わってからだ。今は守ってカウンターのサッカーが主体だが、クラブ・ワールドカップ後は攻撃のバリエーションを増やしていかなと、Jリーグを勝ち抜けない。100億円クラブとして、どこまで違いを見せられるか。フロントの力が求められる。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク