最近、気がつくと口ずさんでしまっている歌がある。
「♪お金はね、使ったらね、減~る~。お金はね、使ったらね、減~ら~ない。ルルルル…」
そう、「アイフル」のテレビCM「凛とした女将」シリーズの第26弾「お金は賢く使う」篇だ。大地真央がヒッピー風ファッションを身に纏い、フォークギターを抱え、どこかもの悲しいアルペジオをつま弾きながら、語るように歌うあの歌だ。
前回の「鮨屋の大将女将」篇もシビれるカッコ良さだった。提供された寿司に手を付けず、スマホで写真ばかり撮っているアーパー女に向かって「魚の命に申し訳ないわ!」と啖呵を切る、角刈りの大将だ。あるいはツルツルの坊主頭でおかしな説法を説く「和尚女将」篇、ちょんまげ姿で颯爽と登場したのに、なぜか日本舞踊を舞い出す「おかみ侍」篇もインパクト大だったが、今回は見た目ではなく、歌で衝撃を与えてくれた。
浪費癖のある私のような人間にとって、CM中の今野浩喜が思わずつぶやいたように、まさに「目からウロコや~」である。
消費者金融のCMなのに「無駄な消費を諫める」という演出に「いやいやアンタら、金を使わせてナンボやろ」とツッコミたくもなるが、そこは今回のCMにおいても、大地真央という伝説級の元宝塚トップスターが醸し出す空気によって、品があるというか、イヤミにならないのだからさすが。
ところで、そんな大地はそもそも、お金に対しての知識がいなようで…。
それは5月10日放送「人生最高レストラン」(TBS系)に、放送400回記念SPのゲストとして出演した際のこと。
「(結婚して)最初の頃、(夫が)『コンビニにちょっと寄るから、車で待ってて』って言って。で、コンビニに行ったら、お金を下ろして来て。(私は)ビックリしたんですよ」
なんと彼女は今のコンビニにATMが置いてあることを知らなかったのだ。このカミングアウトにスタジオは静まり返ったのだが、さらに出演者達を驚かせたのは、この告白だ。
「(お金の)下ろし方がわからないんですよ」
そもそも銀行でもお金を下ろしたことがなく、基本、現金が必要な際は、人に下ろしてもらっているからだ。お金の管理を人任せにするなんて、大谷翔平と水原一平のようなことにならないかと、心配になってしまう。
そういえば「お金は賢く使う」篇には「お金はね、使ったらね、減~る~」のあとが「気が付いたらね『あれ? もうこれだけしか残ってないわ』それはよくないよ」と続く別バージョンがある。大地自身もそんなことにならないよう、気を付けていただきたいものだ。
(堀江南/テレビソムリエ)