芸能

才賀紀左衛門「パパみたいになりたくないやろ」と勉強に励ませ/有名人シングルファーザー奮闘記

 タレントのあびる優と離婚したのが、2019年のこと。以来、周囲は何かと騒がしかったが、才賀紀左衛門(36)は格闘家の根性さながらに全力で子育てと向き合ってきた。

 早いもので、4歳半から育てた娘も今、小学4年生。日曜日は娘のための日にしてきたんですが、最近は「今日はどこに行く?」と誘っても、「友達と遊んでくるからいいよ」って返すようになってきました。僕の中では、娘は幼稚園児の頃のイメージのままなのに、そのノリでスキンシップをとると「パパ、マジでキモい」「マジ触らないで」って口を尖らせるようにまで‥‥。

 僕はかなり過保護なタイプで、娘が学校から帰ってくると、マンションのエントランスにまでお迎えしないと気が済まない。それは放任主義的だった元嫁との離婚の原因の1つになったと思います。価値観の違いですね。

 実は、僕はむちゃくちゃ金持ちの息子でした。かくれんぼしたら友達が迷子になるほど自宅は大きく、庭にはクジャクにワニ、ヘビ‥‥、鯉も200匹ぐらいいて、滝がありました。3人兄弟でそれぞれにお手伝いさんが付いて、小学校へは運転手が送り迎えしてくれた。そんな過保護な環境で育ったので、ついつい娘や周りの人にもやってしまいたくなるんです。

 離婚直後は、仕事をして家事をして、1日の平均睡眠時間が1~2時間になった。娘にいろいろとやってあげたいけども、慣れないことだから、うまくいかない。めちゃくちゃ不安でした。

 料理や洗濯で失敗すると、いろんな心配事と重なって、「あー、俺は何やってんねん。くそっ!」と毎日泣いていました。夜も眠れなかった。蓄えはありましたが、格闘家はずっとできない。シフトチェンジしていくために、最悪、地元の大阪に帰ろうかなと考えたりして‥‥。そんな中で娘の寝顔を見たら、頑張ろうと思えて、毎日、勇気をもらっていましたね。

 子育てする中で、得意になったこともあります。髪結いです。当時、流行っていたラプンツェルに憧れて、娘が短かった髪を伸ばしたいと言い始めました。何もできなかった僕は、人形の髪をアレンジする玩具を娘に買い与え、娘が寝た後にそれで練習して、ひととおりできるようになった。風呂上がりにドライヤーもかけていたので、もはや娘のヘアメイクは完璧です。

 高学年になると中学受験が控えていて、娘には週5ほど塾や習い事が入っています。今は塾がメインです。「パパはどこでもええけど、どこに行きたいの?」って聞くと「○○中学校に行きたい」と。理由を聞いたら「制服がかわいいから」って。「なんや、それ!」と言いながらも、勉強ははかどっています。

 スポーツでも何でも好きなことを極めるんやったら、とことんやってほしい。「全部応援してやるから」と伝えてあります。でも「いろんなことにチャレンジしたいならば、ちゃんと勉強だけはしとけ」って口を酸っぱくして言ってますね。「そうしないと、パパみたいに大人になっても漢字が読めへんぞ」と、「お前、パパみたいになりたくないやろ」とハッパをかけています。でも、宿題をちゃんとやってない時など注意すると「パパは、できないくせに言ってくんじゃねえよ」って(笑)。

 今はジム経営が軌道に乗って、いい人たちに囲まれて、家に帰れば母親と娘と3人で暮らしています。僕は36歳にしてようやく自分を俯瞰して見られるようになった。一生懸命に子育てをしてきましたが、実際は自分も育ててもらっている感覚が強くあります。若い頃はすげえヤンチャでしたが、シングルファーザーとして子育てするようになってから、考え方が変わりました。離婚してどん底だった時、自分の30年間の悪い行いが返ってきたと痛感したんです。才能と運のよさで格闘家として引っ張りだこでしたが、みんなが通ってきた道を通っていなかった。この何年間は努力をするしかなかったですが、かわいい娘がいたから踏ん張れたんです。

 とにかく娘には、優しい人になってほしい。僕は年の離れた親父が大嫌いでしたけど、今考えたらめちゃめちゃかわいがってくれた。いっぱい甘やかしてもらった。僕は親に自分がしてもらった以上に娘に愛情を与えたい。そして、人に愛情を与えられる人間になってほしいと思っています。

才賀紀左衛門:1989年、大阪府生まれ。幼稚園より空手を習い始め、2007年にK-1甲子園に出場。その後はK-1MAXを舞台に活躍し、12年以降は総合格闘技やプロレスにも挑戦。現在、サイガジムにて後進を育成している。

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