海外旅行先ではそれぞれの国の法律やルールに則った遊び方、行動が求められ、「違反」すると日本では考えられない、とんでもない事態になるケースがある。
東南アジア屈指の観光大国、タイ。「微笑みの国」といわれるこの地で今、日本人旅行者から悲鳴が立て続けに上がっている。なにしろ「電子タバコ」が法律で厳しく取り締まられているからだ。
コトの発端は、2カ月ほど前にSNS上で拡散された「タイ国会内で電子タバコを吸う議員」の写真。これが物議を醸し、改めてタイ国内では電子タバコの所持・使用が違法であるとの認識が広まった。
タイの現行法では、電子タバコの所持・使用は違法行為とされ、最高で5000バーツ(約2万円)の罰金が科される。さらに驚くべきことに、違反者を通報した者には報奨金が支払われる、という制度までできたのである。
今年のゴールデンウィークにタイを訪れた日本人旅行者からは、こんな証言が出ている。
「入国の際にスワンナプーム国際空港でアイコスが見つかって、そのまま没収されました」(30代・男性)
「バンコクのスクンビット通りで、日本人観光客が堂々と電子タバコを吸っていたところを警察に見つかり、現場で罰金を支払わされていました」(40代・女性)
「パタヤでソンテウ(乗合バス)に乗っていたら突然、警察が乗り込んできて所持品検査。外国人旅行者が電子タバコを持っていて、即座に罰金を科されていました」(50代・男性)
このように、観光地であっても警察による抜き打ち検査が行われることがあり、「知らなかった」は通用しない。
電子タバコのユーザーにとっては、つい日常感覚で持ち込んでしまいがちだが、タイにおいては完全にアウト。空港で没収されるだけでなく、街中での所持・使用でも処罰の対象になる。
もしどうしても喫煙が必要という人は、現地で販売されている紙タバコに切り替えるか、滞在中は我慢するしかない。繰り返すが、電子タバコの持ち込み自体がリスクになるため、スーツケースや手荷物に入れたままの渡航はNGだ。
これから夏の旅行シーズンに突入する。せっかくの旅を台無しにしないためにも、電子タバコ利用者は今すぐチェックを。