秋風が心地よく吹き抜け、家飲みが一段と楽しくなる10月。仕事終わりの晩酌や週末のリラックスタイムに「いつもとはひと味違う、極上の酒の肴を楽しみたい」と思ったらどうするか。もちろん酒場へ繰り出すのも悪くないが、自宅のキッチンで手軽にプロ顔負け...
記事全文を読む→菅原文太が演じた主人公・広能昌三のしびれるセリフ/ここぞの時に思い出したい「仁義なき戦い」魂の名言集(1)
5月11日、傑作映画の上映イベントに登場した北大路欣也。「仁義なき戦い」第1作を観た時に「激しい波動」に揺さぶられ、第2作の出演をみずから監督、プロデューサーに直訴したという思い出を語った。公開から50余年を経た今でも観る男たちの胸を躍らせるこのシリーズ。とりわけ、血気盛んなヤクザ者から吐き出される言葉に「魂」を打ち震わせた人も多かろう。そこで、シリーズ5作品の中から珠玉の名言を厳選。心奥の熱い思いが、今よみがえる‥‥!
《山守さん、弾はまだ残っとるがよう》
菅原文太演じる主人公・広能昌三が、記念すべき第1作のラストに炸裂させるセリフだ。
狡猾な組長・山守義雄(金子信雄)に散々翻弄された挙句、殺された坂井鉄也(松方弘樹)の組葬。その白々しさに怒りを爆発させた広能は、祭壇に向かって発砲する。気色ばむ山守らに対し、発した言葉が冒頭のセリフなのだ。仲間である坂井に対する思いと山守への怒りがにじみ出る名シーンである。
物語も佳境に入る第3作「仁義なき戦い・代理戦争」。争いが激しさを増すとともに、よりいっそうセリフもヒートアップしてくる。広能の名セリフを2つ紹介しよう。
《殺るならここで殺りないや、おお、能書きはいらんよ》
山守組と対立する打本組組長・打本昇(加藤武)から、いずれそちらの命も殺ってやると言われた際、凄みたっぷりにこう言い返す広能。いらつく打本と、闘志満々の広能の対比に、息を呑むシーンである。
《こうなりゃ五寸じゃけえ、山守先頭にいつでも来いや、相手になっちゃるけん》
親分・山守義雄から「破門」となった上、山守組と対立する打本組との間もしっくりいかない広能。そんな中、組にバッジを返しに来た広能に対して、槇原政吉(田中邦衛)は「ざまあみやがれ、勝負せんかい」とせせら笑う。山守親分の腰ぎんちゃくである槇原に、「こうなりゃ五寸じゃけえ~」と激しく言い返すのだった。
脚本を手がけた笠原和夫氏は劇中において、広能のモデルとなった美能幸三氏の手記から効果的な言葉をちりばめており、このセリフにも、もとになったと思われるやり取りがある。もっとも、それは美能と、槇原のモデル・樋上実の間で交わされたものではなかった。
山守組のモデルとなった山村組大幹部の原田昭三(映画では山城新伍演じる江田省一)との掛け合いで、「おう、おう、いつでもこい。ジャギ(山村組組長・山村辰雄)を先頭にしてから‥‥」(原作「仁義なき戦い〈決戦篇〉」より)という美能の言葉がそれだ。
このような、モデルのギリギリの線まで攻めた表現も、「仁義なき戦い」シリーズのリアリティを高めている一因ではないだろうか。
仁義なき戦い5部作のトリを飾るのが「完結編」。モデルとなった時代背景もあり、広能に代わって北大路欣也演じる天政会理事長・松村保が実質的な主役と言ってもいいだろう。しかし、そうはいっても絶対的主人公、広能のしびれるセリフは健在なのだ。
《殺りに来る言うなら、殺りにこいや。わしゃ、輝のようにはいかんど》
これは舎弟分である市岡輝吉(松方弘樹)が宿敵・天政会の手にかかり、引退を拒むみずからも危機に立った時に吐き出す堂々たる啖呵だ。本作で市岡を演じている松方は、第1作では山守組若頭・坂井鉄也を演じている。初見の人は戸惑うかもしれないが、それもまた仁義なきシリーズなのである。
《そっちとは飲まん、死んだもんにすまんけの》
ラストは当時のトップスター・小林旭演じる天政会前会長の武田明から引退を決意した広能に対して、一段落ついたら飲もうと水を向けられた時に返した言葉だ。モデルとなった「広島戦争」では多くの犠牲者を出したが、5部作の中でも多くのヤクザが死んでいった。
現実にはこのような会話を交わしたという記述はない。しかし、多くのファンにとって広能=美能の臓腑の言葉として納得のいくものであったことは間違いないだろう。
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