「サヨナラ郡司」が日本記録を更新するのでは…。日本ハムの郡司裕也が今季、これでもかと「サヨナラ男」ぶりを発揮しているのだ。
10年ぶりに首位でセ・パ交流戦に突入する日本ハムのサヨナラ勝ちは今季4試合あるが、そのうち3試合は郡司のバットから生まれたもの。この活躍に、チーム内では「サヨナラ男にもほどがある」との声が上がり、本人も「サヨナラ郡司でやっていこうと思います」と悪ノリ気味にコメントしている。
新庄剛志監督は5月30日のサヨナラ勝ち後には「郡司君は右方向(のサヨナラ打)が得意技なんで」とご満悦だった。では、更新がかかっている日本記録とは何か。
これまで通算で最もサヨナラ打を放っているのは、20回の清原和博。1シーズンとなると、日本ハムの前身だった東映フライヤーズの大杉勝男、そして巨人にも在籍したジャック・ハウエルがヤクルト時代に記録した5回。残り試合を考えれば、郡司はこれを更新する可能性が十分にある。
「大杉の記録は1969年のものだし、ハウエルも30年以上も前の1993年ですからね。忘れ去られていた記録が日の目を見るかもしれない、と期待は高まっています」(スポーツ紙遊軍記者)
新庄監督も現役時代の1999年6月12日、巨人戦で衝撃のサヨナラ打を放っている。4-4で迎えた延長12回、一死一・三塁で槙原寛己が投げた敬遠球を打ち、三遊間を抜くサヨナラ安打に。その新庄監督のDNAを引き継ぐ郡司だけに、サヨナラの場面は格好のアピールチャンスと考えているのだろう。
「郡司のサヨナラ打がチームを勢いづけているのは間違いない。5月31日の試合では、レイエスが劇的なサヨナラ打を打っているしね。『サヨナラ郡司』が日本ハム優勝のカギを握るキーマンのひとりなのは間違いない」(球団OB)
めぐり合わせと勝負強さの賜物なのである。
(阿部勝彦)