ロッテ戦後に日本ハムの新庄剛志監督が嫌悪感をあらわにしたのは、ロッテ先発投手・田中晴也の「白い投球」についてだった。
試合中に大量のロジンを使用する田中に、
「なんとかしてほしいなって、ずっと思ってた。イヤなんですよ」
かつて広島の佐々岡真司が、まるで消える魔球のように粉を舞い上がらせて投球していたことを引き合いに出したのである。
と同時に自軍の伊藤大海や山崎福也もロジンを大量に使用していることに触れ、粉が出にくい新しいロジン開発の必要性を訴えた。
田中と伊藤はともに大量のロジンを使用することから、「ロジン・コンビ」と陰で呼ばれている。とりわけ伊藤は「手汗がひどい」との理由から、1球投げるごとに手のひら全体につけるため、ロジンの消費が激しい。通常は5回終了時に補充されるところを二度目も要求することから、「追いロジン」と呼ばれるほどだ。東京五輪の日韓戦では、韓国の金慧成が伊藤のロジンのつけすぎに、タイムをかけて抗議している。
このロジン問題、はたしてうまい落としどころはあるのだろうか。
(ケン高田)