開催中の「FIFAクラブワールドカップ2025」の優勝チームを、戦術面の解説に秀でる林陵平氏がズバリ予想した。
鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演し、いくつかの優勝候補を挙げていく林氏。まずはチャンピオンズリーグで優勝した、パリ・サンジェルマンだ。
「今、いちばん強いチーム。攻守4局面でデザインされていて、そこに個の能力がしっかりついてきている。2025年だけじゃなくて、今までの世界的歴史を見ても、いちばんいいチーム」
具体的には何がどう強いというのか。
「攻撃は(相手チームが)掴めない。4-3-3なんですけど、関係なく自由自在に動く。相手はどうプレッシャーをかけたらいいのか。逆にパリがポジション・バランスを崩すと、全体のバランスも崩れがちになるんですけど、いなくなった場所に違う選手が入ってくるので、バランスが全く崩れない。だから攻撃し終わった後、守備の切り替えも早い。全体の局面の連動性はすさまじい。パリのハイプレスは回避できない」
次に挙げたのは、マンチェスター・シティだった。
「今シーズンは少し調子を落としてしまいましたけど、昨シーズンまでプレミアリーグ4連覇しているチームで、組織としてもしっかりしている。冬に加入したオマル・マルムーシュがスピードがあって、後半戦のシティの中でのベストプレイヤー。彼に注目してほしい」
最後はレアル・マドリードだ。今季は無冠に終わったものの、評価は高い。
「この大会から監督が代わる。カルロ・アンチェロッティからシャビ・アロンソになる。それが楽しみです。どういうフットボールをするのか。レアル・マドリードは『戦術がないのが戦術』のような、個のクオリティーに依存して戦うチーム。それがレアル・マドリードではOKだった。アンチェロッティがバランスを取りながら選手たちにプレーさせていたんですけど、シャビ・アロンソはレバークーゼンでやっていたような、戦術的なフットボール。それが合うのか」
この3チームを軸に、チェルシーとインテルにも注目したいと、林氏は言うのだった。
「チェルシーは今シーズンにエンツォ・マレスカ監督に代わった。もともと選手のスカッドは豊富なんですけど、豊富すぎて誰を使うのかとか、戦術的にどうなのかというところに難しさがあった中で、マレスカは就任してから自分の哲学を組み込んだ。後ろからのビルドアップやハイプレスなど、戦術をしっかり仕込んでいる。若い選手が多いので、これからの伸びしろもある」
チャンピオンズリーグ決勝へと駒を進めたインテルは、
「すごく戦術的にしっかりしている。その中で選手たちは立ち位置を自由に変えながらビルドアップする。本当にいいチーム。控えにもいい選手がいるので、1.5軍でもめちゃくちゃ強い」
これらのチームを挙げた上で、優勝はパリ・サンジェルマンとした。林氏の予想を踏まえた上で、クラブワールドカップを楽しみたい。
(鈴木誠)