世界No.1のサッカークラブを決定するFIFAクラブワールドカップ2025が、アメリカで開催中(日本時間6月14日~7月13日)だ。今大会から大幅にレギュレーションが変更になり、従来の7クラブから32クラブに増加。日本からは浦和レッズが参加している。
賞金総額10億ドル(約1450億円)と、それだけで大会規模の巨大ぶりが窺い知れるが、1次リーグの第1節がスタートしたばかりの段階で、早くもヤバ~イ問題が出始めていた。
6月15日のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)×オークランド・シティ(ニュージーランド)の一戦は、10-0でバイエルンが圧勝した。サッカーとは別の職業で生計を立てているアマ軍団がドイツ王者に太刀打ちできるはずもなく、サッカーファンからは大ブーイングが噴出。1回戦総当たりの1次リーグの大会形式に対し、主催するFIFA(国際サッカー連盟)に批判の矛先が向けられた。
環境面でも次々と課題が露呈している。1次リーグ屈指の好カードとなったパリ・サンジェルマン(フランス)×アトレティコ・マドリード(スペイン)は昼12時にキックオフ。気温34度、湿度60%という蒸し風呂のようなピッチで試合が行われ、後半になると次々と選手たちの足が止まることに。試合の臨場感は失われてしまった。
さらにチェルシー(イングランド)×ロサンゼルスFC(アメリカ)の試合会場となったメルセデス・ベンツ・スタジアムは、2026年北中米W杯でも使われる会場なのだが、普段使用している人工芝の上に、芝生を乗せて張り合わせただけ。そのため、ボールを蹴ろうと踏み込んだ瞬間、芝生がズレて転倒したり、バランスを崩す選手が続出したのだ。
しかも7万5000人収容のところ、2万2137人しか集まらず、ガラガラのスタンドが目立つという、寂しいおまけ付き。
新しい船出を飾ったクラブW杯だが、この先もボロボロとほころびが出てこないか、不安ばかりが先行するのだった。
(風吹啓太)