府中牝馬Sは、昨年まで秋の東京開催で行われていました。しかもGⅡの別定戦での開催。ですが今年からは、東京開催自体は変わりませんが、GⅢのハンデ戦に格下げされての開催に変更されました。
開催時期も変更されたので、血統適性の傾向は同時期の芝1800メートルで行われていた重賞、エプソムCを参考にするべきでしょう。
そのエプソムCは、血統ビームオリジナルの「国別血統タイプ」が「欧州型」の馬が好走しやすく、特に「大系統ノーザンダンサー系」か「ロベルト系」に相性のいいレースです。
22年から3年連続で「父欧州型ノーザンダンサー系」か「父ロベルト系」のどちらかが2頭以上馬券になっています。
ちなみに、昨年は「父欧州型ノーザンダンサー系」のニシノスーベニアが9番人気で2着、「父ロベルト系」のシルトホルンが7番人気で3着しました(国別血統タイプ、血統系統は「スマート出馬表」を参照してください)。
なお、エプソムCは今年から開催時期が5月に変更になりましたが、6人気ながら圧勝したのは、セイウンハーデスでした。父はシルバーステートで、その母父はロベルト系。また、10人気で3着したトーセンリョウは母父が「欧州型」です。
シルバーステートの父とトーセンリョウの父は、いずれもディープインパクト。つまり、この時期の東京芝1800メートル重賞は、ディープインパクトの血に「欧州型血統」を強化した馬が走りやすいという血統傾向もあるのです。
今年出走を予定している馬で見ると、ラヴァンダの父がシルバーステート。前述したように、5月の同コースでの重賞エプソムCを圧勝したセイウンハーデスと同じ種牡馬の産駒になります。
そして母父はベーカバド。この時期の東京芝1800メートル重賞にマッチする「欧州型ノーザンダンサー系」です。ディープインパクトの血に「欧州型血統」を強化した配合パターンも合っています。
さらに言うと、祖母ゴッドインチーフは、チューリップ賞2着など重賞でも好走しましたが、近親にはオークス馬のヌーヴォレコルトがいるように、牝馬でGⅠ級の馬も輩出する牝系。今回ラヴァンダは格上挑戦の形にはなりますが、血統適性、血統スケールは、ここでも上位の存在です。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。著書「フォーメーションと合成オッズを使いこなして効率的に馬券で儲ける方法」(オーパーツ・パブリッシング)ほか多数。