6月29日のWIN③函館記念は、血統がポイント。父にミスタープロスペクター系種牡馬を持つ馬は21年以降〈11015〉、父にサンデーサイレンス系種牡馬を持つ馬は21年以降〈0 1 2 27〉と、それぞれ安定感を欠いています。
なお、3着以内となった計5頭のうち4頭は、前年以降にJRA重賞で「2着以内、かつ4角通過順が7番手以下」となった経験のある馬。実績上位の差し馬でないかぎり、この両父系に属する種牡馬産駒は割り引きが必要です。
さらに、前走の出走頭数が12頭以下だった馬は21年以降〈0 0 0 20〉、馬番が1〜3番の馬は21年以降〈1 0 0 11〉、馬番が10〜16番の馬は21年以降〈1 0 1 26〉。前走が少頭数だったり、内外極端な枠に入った馬は強調できません。
枠順しだいではあるものの、不安要素の少ないアルナシーム、グランディア、トップナイフは相応に高く評価するべきでしょう。
WIN⑤のラジオNIKKEI賞は、臨戦過程に注目したい一戦。前走の距離が2000メートルだった馬は21年以降〈2 3 2 11〉で、3着内率が38.9%に達しています。一方、前走の距離が2000メートル以外、かつ前走の着順が3着以下だった馬は21年以降〈0 0 1 20〉と苦戦していました。
あとは脚質もチェックしておきたいところ。前走のコースが国内で4角通過順が3番手以下、かつ枠番が2〜8枠の馬は21年以降〈0 1 1 31〉と期待を裏切りがちです。決して先行有利なレースではないものの、末脚を生かす競馬しかできないタイプは、過信禁物とみておいたほうがいいかもしれません。
1勝馬があまり上位に食い込めていない点も加味すると、今年はショウナンマクベスやビーオンザカバーが楽しみ。いずれも素直に信頼していいでしょう。
伊吹雅也(いぶき・まさや)「JRAホームページ」「グリーンチャンネル」ほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている新進気鋭の競馬評論家。新刊「ウルトラ回収率2025-2026(競馬王馬券攻略本シリーズ)」(ガイドワークス)が好評発売中。